消費者に与える影響

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マンションの大規模修繕工事で談合を繰り返した疑いがあるとして、公正取引委員会が、大手建設会社の完全子会社など工事業者数社を独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査した旨、報道がありました。本日は、不当な取引制限が消費者に与える影響について、考えてみます。

消費者への影響として考えられるのは3点です。
1.談合により、工事費用が不当に高騰し、管理組合や居住者の経済的負担が増加。
2.談合参加業者が高い技術力を持たないと、工事の品質が低下する可能性がある。
3.業者選定プロセスの公正性に疑問を抱き、業界全体への信頼が損なわれる。

分譲マンションの共用部分の大規模修繕工事を発注していると、談合により不当に高い費用を支払った可能性があります。工事代金は、分譲マンションの所有者が積み立てた修繕積立金から支払うので、直接の消費者を騙したことで、信頼が失墜します。

一般社会の視点では、どうして大手の建設会社がこの不正を防げなかったのか、自社で発見できなかったという点で、疑問に感じています。恐らくながら、その要因は以下の点と考えます。

1.長年にわたり談合が行われ、これが常態化していたこと。
2.管理組合や居住者は専門知識が乏しく、業者の不正を察知しにくい。
3.内部監査やけん制部門の監視が行き届かず、仕組みが機能していなかった。

とすれば、解決策は、こんな感じでしょうか。
1.商習慣や下請け業者との関係について、一般社会の常識で見直す。
2.大規模修繕工事には、第三者の専門機関による査定を行い、適正に正す。
3.子会社への監査項目に、常態化している業務フローを加える。
4.親会社と子会社、ならびに関係する業者に対し、正しく再教育を行う。

他業種で発生した事象や事件については、常に自社と置き換えて、経営陣やマネジメント層に対して、考えさせることを繰り返すことで、正しく振舞う風土や文化を醸成していきましょう。

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