ハラスメント対応の変化

a man bullied in the work place

ハラスメントについては、連日のように何らかの報道がなされています。本日は、最近のハラスメント報道の傾向と、企業側の対応の変化について、少しご説明してみます。

最近、報道が増えているのが、企業におけるカスタマー・ハラスメント対応に関する情報公開です。多くの企業は、カスタマーセンター等でお客様からの声や意見などをいただく仕組みを作っています。店舗等で営業している企業では、店舗内にお客様対応の責任者を設置して、対応しています。

しかし、脅迫、恫喝、強要、人格を否定する言動、従業員に謝罪を強要、事務所に居座る、執拗な言動など、一定の行為類型があった場合には、毅然として対応し、必要に応じて警察へ相談したり、弁護士を代理にするなど、厳しく対応していく旨を開示する企業も増えてきました。

また、従業員に対するセクシャル・ハラスメントについても、取引先やお客様からの行為には、社内マニュアルに従い、毅然とした厳しい対応を行うと宣言する企業が増えました。女性担当者や女性管理職が、取引先やお客様からのセクシャル・ハラスメントを具体的受ける事例が、増えてきたことによると考えます。

従業員同士のセクシャル・ハラスメントについては、毎年必ずハラスメント研修を実施する企業であれば、加害者にならない為の知識、避ける手法等について、役員・従業員向けに研修し、既に習得していることから、加害者に対して厳しい処分を下す傾向が強くなっています。

役員から従業員、上司から部下、先輩から後輩へのパワー・ハラスメントについても、同様にハラスメント研修において、禁止行為、禁止ワード、強い発言をした直後に気づいた場合の対応方法等まで教えている企業においては、加害者には現在の職位を解く傾向も強くなっています。

年度コンプライアンス研修においても、一般的なコンプライアンス研修の項目に加えて、ハラスメント、情報セキュリティ、ITの研修を独立研修とする企業が増えてきました。特に、自社内で発生した事例と加害者に対する処分まで開示するなど、厳罰に処すという姿勢を研修を通じて伝えることもあるそうです。

これは、企業を取り巻くリスクを自社でマネジメントする考え方や、内部統制におけるリスク・ポジションが変わってきたことが要因と考えます。更に一般社会においても、ハラスメントは人権侵害の一部と考えつつあります。4月は、年度の初めとなる企業も多いと存じます。今年度コンプライアンス研修について、こうした観点で見直しを検討しては、いかがでしょうか。

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