2025年度も第一四半期が過ぎようとしています。コンプライアンス研修の実施にあたり、研修内容を企画・検討している企業が多いと存じます。本日は、現状を踏まえて、今年度の研修に追加したいテーマについて、考えてみます。
コンプライアンス研修の目的は、各企業によって多少の言葉の差異はありますが、健全で正しい事業活動を行うためでは、ないでしょうか。とすれば、まず守りたいのは役員と従業員の健全で健康な生活です。
役員と従業員の健全で健康な生活を脅かす可能性のある事象としては、最近多く報道されているオンラインカジノによる違法賭博に対し、正しい知識を持つことです。一律にオンラインカジノの利用禁止と教育しても、ダメと言われると余計にやってみたくなる人間心理を刺激してしまう可能性もあります。何が違法なのか、知らないで関与した場合の結果など、当事者の立場で説明し、実際のオンライン上の画像を見せて教育するなど、正しく理解させると、効果が高まると思われます。
次に、事業活動において、気付かぬうちに行為者になってしまう可能性のある事象として、個人情報の漏えいがあります。改めて個人情報の項目に加え、メール、LINE、書面、口頭での情報発信の際の注意喚起や教育の必要性を感じます。
社外メール発信前に上司等による確認を行う業務フローを持つ企業が多くなりました。添付ファイルがあり、一定のワードが記載されているなどの条件があると、それ以外は大丈夫と勘違いする人もいます。システムエラーによる防御策の弱みは、任せきりになり、正しい知識や何が違法に該当するのかを忘れてしまうことです。研修では、知識の簡単なリマインドを行うことで、人為的なミスを減らし、確認承認者による実効性の担保に繋げていきましょう。
その他には、他社の事例を活用して、自社が正しいとしていた事業活動の中に潜んでいる不正行為や不適切な事象などをテーマにすることも効果的です。他社の不幸な事例こそ、興味が湧き、比較的習得しやすい環境になるからです。商品のリコールや品質不正事件などは、日頃の事業活動では当たり前になっていた事象が、実際には大きな不正に繋がってしまった例です。失った信頼を取り戻す為の他社の取組みについて学ぶことも、最近の新しい手法ですが、事例を集めるのが難しいようです。
また、販売している商品やサービスの品質については、普通品質と高品質について、考えさせる研修も、コンプライアンスの浸透には効果があります。事業活動における普通品質と高品質について意見交換することも、正しい定義を身に付けることに役立ちます。特に意見交換は大切で、口に出して述べること、皆の前で発表することは、より正しい理解に繋がります。
今年度のコンプライアンス研修のテーマを検討している場合、上記のようなトピックスを検討しては、いかがでしょうか。弊社では、研修の外部講師も承っています。コンプラ研修に外部講師を提供することで、役員と従業員に対し新たな緊張感をもたらし、実効性ある研修を目指すことになります。ご活用ください。



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