体制整備のノウハウ

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2025年度に、保険代理店主がなすべきは、改正予定の保険業法の趣旨を理解して、次年度以降に行われる予定の業務品質の評価制度に備えることです。本日は、その為に必要な体制整備のノウハウについて、考えてみます。

業務品質を語るには、まず自社の募集品質の統一が必要である旨、ご説明しました。多くのお客様から、出路も生業も異なる人の集まりが故に、募集品質の統一は難しいとご意見をいただきました。これは、個々の募集人とお客様との人的繋がりに頼る経営体質であり、正に保険代理店の弱みです。とは言っても、経営者ができないと考えるなら、前進はできません。

そこで、体制を整備しつつ、自社の弱みを解決していく取組みについて、考えてみましょう。その為に、まず自社の募集品質の外形を把握することから始めます。募集品質の外形とは、保有総件数を分母にして、募集の形態を品質ごとに分けて、件数比率を調べてみて下さい。取引保険会社からデータをいただくことで可能です。

具体的には、電話募集、郵送募集、メールによる募集、WEBオンラインでお客様自身が契約する募集、対面募集(WEB会議を含む)など、外形的な形態を把握します。例えば、1万件のお客様の内訳は、4千件は電話、1千件が郵送、1千件がメール、3.5千件が対面、0.5千件がオンライン契約というように、内訳を把握します。

次に、各募集形態ごとに業務品質を統一しているかを確認して下さい。具体的には、募集業務フローが書面でルール化されていることを確認します。その際、保険会社のオンライン画面の文言を募集人が読んでお客様へお伝えし、確認のうえ確認ボタンや契約手続きを行う形態があれば、それはルール化されていると判断します。

各募集形態ごとの業務品質が統一されていない契約があれば、今年度の体制整備の取組みにおいて、社内で統一することを目標とします。その際、出来ないことを考えずに、統一する為にすべきことを論理的に考えてみることが大切です。また、ルールの趣旨通りに運用し、ルールが形骸化しないようにすることが、業務品質を高める秘訣です。

実態を把握することをチェック、実態を改善することをアクトと言います。改善することとは、社内に統一ルールを作ることです。これをプランと言います。統一ルールを社内に周知して、実際の募集で同じ品質に統一させることをドゥと言います。チェック、アクト、プラン、ドゥを英語にして頭文字を並べるとC、A、P、Dになります。このCAPDが改善取組みサイクルであり、これを回し続けることで、業務品質が高まります。これは一般的には、PDCAサイクルと言われています。

各募集形態に合わせた統一ルールを作ったら、それを社内に周知する方法を考えて下さい。イントラネットに掲示し社内通達する、会議で説明するなどを考えたと思われます。周知しただけでは統一はできませんので、経営から第一線までの全てが理解し、腹落ちするまで説明すること、これを教育と言います。教育したら、その記録を管理して、実践できない人を管理して、統一できるまで指導します。これは、代理店主一人の力ではできないことです。

そこで、社内を巻き込んで、プロジェクトにする手法があります。プロジェクトの趣旨に賛同するメンバーを集めてチームにするる、経営者とチームが一体となり情報発信し、出来ない仕組みや慣習を排除して新しい文化を育てることで、業務品質の統一に近づきます。

業務品質を高めるには、まず業務品質を統一することが必要で、統一する為には社内ルールを趣旨通りに運用することが必要で、その為に社内プロジェクト推進手法などのやり方があり、それができると募集品質が統一されます。本日は、以上です。

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