学歴詐称疑惑

portrait of a man with paper taped to his face

2025年5月の選挙で当選したばかりの市長に対し、自身の学歴詐称疑惑が発生し、記者会見を開きました。本日は、企業や経営者自身に疑惑が生じた際、必要な心構えについて、考えてみます。

記者会見の内容を要約すると、市長自身は大学を卒業しておらず、除籍であることが確認できた。自身では、卒業したと思っていた。選挙において、大学を卒業とは記載していないことから、公職選挙法が定める違法行為には該当しないと考えている。

これを受けて、市議会は、学歴詐称疑惑に対して社会的な責任を果たすべく、市長は辞任すべきと主張しています。市議会は社会的責任を論点としており、市長は公職選挙法に反するか否かを論点にしています。

結論から申し上げれば、市民から信頼を失う行為の有無がポイントです。企業のトップや公職に就いている人は、虚偽や虚偽を疑われる言動があれば、社会からの信頼を失う可能性があります。意図的でなく虚偽を疑われる言動があった場合には、疑いを持たれた時点で、謝罪して修正すれば、社会からの信頼を失うことは、ありません。

今回の場合であれば、学歴詐称を疑う文書の存在が明らかになった時に、議会ならびに記者会見において、自身は大学を卒業しておらず、除籍になっている旨を説明すれば、信頼を失うには至らなかったものと推察されます。選挙時の学歴詐称を疑われたら、選挙公報を示して、学歴を記載していないから詐称はしていないと説明します。

大学進学率が高い現代において、卒業という学歴は必ずしも人物を高める履歴では、ありません。たとえ中退したとしても、直接的に人物を評価する要素ではないと考える社会になりつつあります。昭和最後の入社世代が第一線をリタイヤする頃には、新しい考え方が浸透するようになるでしょう。

企業のトップや公職者に対し、疑わしい報道があった場合には、昭和の考え方を捨てて、令和の考え方で進めることが、望ましいです。具体的には、まず関係者はフリーズすること、そのうえで真実が何なのかを把握したうえで、その真実を説明する為の準備をするだけです。

疑わしい報道を否定する為には、否定に値する証拠が必要です。真実を把握する際に証拠を確認しますから、これを満たすことになります。その際、誤った考え方をしたり、周囲が取り繕うと、今回のように新たに信頼を失う言動をしてしまい、社会からの信頼を失うことになります。

何か起こったら、まずはフリーズ!これが、未来を明るくする秘訣です。フリーズとは固まることを指しますが、固まったから肝が据わっていないとか、男らしくないという考え方こそ、昭和の考え方です。疑いが報じられるなど、リスクが表面化した時こそ、コンプライアンス経営が役立ちます。経営トップは、怠ることなく、常に新しい社会の観点を身に付けるように心がけましょう。

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