代理店監査の方向性

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保険業法ならびに保険会社向けの総合的な監督指針の改正に伴い、保険会社、代理店、仲立人は、新たな法令等に基づく業務運営を求められることになりました。本日は、これを踏まえて保険会社が行う代理店監査の方向性について、考えてみます。

まず、法令等において改正された以下項目は、必ず監査項目に加わります。
1.代理店の拠点に、コンプライアンス担当者が設置されているか。
2.代理店の本社に、コンプライアンス責任者が設置されているか。
3.保険金の支払に影響を及ぼさないよう、兼業する業務を適切に管理しているか。
4.苦情等に対して、適切、かつ迅速に対応する為の体制を整備しているか。
5.物品購入や役務提供などの便宜供与が行われない業務運営ができているか。

そこで、保険会社は、代理店監査を行うにあたり、手法を変えると思われます。例えば、このような考え方をすると思われます。
1.大規模代理店、兼業代理店、多拠点代理店向けの監査を新設する。
2.代理店の規模・特性ごとに、監査周期を変える。
3.一問一答方式を改め、深堀り対話方式へ変更する。
4.店主への監査に加え、本社各部署、営業拠点向けの監査を行う。
5.適・不適の結果評価を改め、体制整備状況、課題解決状況の評価に変更する。
6.口頭監査に加え、教育や管理の説明責任を果たす記録の提出を求める。
7.募集人監査は、法令の趣旨・概要・禁止事例の理解度確認方式に変更する。

要すれば、代理店の規模や特性を法令等で改正した内容を踏まえて細分化し、可否で判断する方式を改め、一定期間における体制整備状況で判断する方式になるでしょう。その為には、代理店主が適切に実施していると回答しても、実際に募集人がどの程度理解しているかを確認する必要が生じています。そこで、1日で監査を実施するのでは十分でない代理店もあるので、監査のやり方自体を見直さざるを得なくなりました。

実効性ある代理店監査を実施する為には、今年度は、新しい監査方式の策定と、保険会社の社内教育を行い、次年度から始めることになるでしょう。実施の際においても、多少手探りしながら、修正すべき点を修正しながら始めることになると思われます。代理店の皆様は、恐れることなく、法令等が改正した内容を理解し、改正項目ごとに、自社の体制整備状況を把握して、課題を見つけ出し、課題解決に向けた取組みを継続するという体制や考え方を自社内に周知して理解を得ておくことが、求められます。

弊社では、代理店監査の対策を検討したい代理店さん向けに、ご相談、ご支援を行います。本ホームページ内の「お問合せ」より、ご相談ください。

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