神戸市で保険会社に勤務する女性が、通勤途上で自宅マンションのエレベーター内で見知らぬ男に襲われ、命を落とすという痛ましい事件が報道されました。 この報道を耳にし、恐ろしい犯行に対する怒りと、胸が締め付けられるような悲しみを感じました。 同時に、企業経営者として、所属メンバーの安全について、改めて考え直す必要があると強く思いました。
<企業ができる配慮とは>
企業が社員の安全を守るためにできることは、決して事件の防止を約束するものではありません。 しかし「気にかけている」「守りたいと思っている」という姿勢を示すことは、組織としての責任であり、信頼の土台でもあります。特に、帰宅時や夜間の移動に関しては、以下のような配慮が求められます。
〇 「遅い時間の帰宅が続いていないか」をマネージャーが気にかける
〇 「一人での帰宅が不安な場合は、遠慮なく相談してほしい」と伝える
〇 「周囲に不審な人物がいたら、すぐに建物に入らず、近くの店舗などに避難する」など、具体的な行動の選択肢を共有する
〇 「会社として、社員の安全を大切にしている」というメッセージを、定期的に発信する
こうした声かけは、決して“過剰な干渉”ではなく、“配慮の文化”を育てるための一歩です。
<注意喚起の伝え方に求められる“温度”>
一方で、注意喚起の言葉が強すぎると、従業員にとっては「責められている」「監視されている」と感じることもあります。 だからこそ、伝え方には“温度”が必要です。
〇 「心配しているからこそ、伝えさせてください」
〇 「万が一のことがあってはならないので、少しだけ気をつけてほしい」
〇 「会社として、皆さんの安全を守る責任があると思っています」
こうした言葉を添えることで、注意喚起は“指示”ではなく、“思いやり”として届きます。
<まとめ>
今回の事件は、決して他人事ではありません。 企業として、社員の安全を守るために何ができるか――その問いに、完璧な答えはありません。 しかし、「気にかけること」「伝えること」「仕組みを整えること」は、今すぐにでも始められることです。
社員の安全は、制度だけでは守れません。 日々の声かけや、配慮の文化が、何よりの防波堤になるのだと思います。本文では、社員と記載しましたが、スタッフ、委託業務を行う出向者などを含めた組織内で働く人の総称を指していますので、ご理解ください。
本日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。



コメント