企業の不祥事や情報漏洩、ハラスメントなどの報道に接する機会が増えています。 こうした事象が起きたとき、企業は何を失い、そして何を得るのでしょうか。 本日は、企業の信頼と再生の視点から、この問いについて考えてみたいと思います。
<不祥事が企業にもたらす「喪失」>
不祥事が起きたとき、企業は多くのものを失います。
〇 社会からの信頼:報道やSNSでの拡散により、企業イメージが急落する
〇 顧客からの信用:契約の見直し、取引停止、顧客離れが起こる
〇 従業員の誇りと士気:社内の空気が重くなり、離職や沈黙が増える
〇 採用力・ブランド力:学生や求職者から敬遠されるようになる
〇 金銭的損失:賠償金、訴訟費用、売上減少、株価下落などが発生する
これらの喪失は、企業の事業活動に直接的なダメージを与えるだけでなく、信頼という“見えない資産”の崩壊を意味します。
<不祥事から企業が得られるもの>
不祥事は、企業にとって痛みを伴う出来事ですが、誠実に向き合えば、得られるものもあります。
〇 教訓と再発防止の機会:組織の弱点を見直す契機になる
〇 信頼回復への挑戦:誠実な対応が社会から評価される
〇 社員の意識変化:「自分の行動が企業の信頼を左右する」と気づくきっかけになる
〇 社会との対話のきっかけ:説明責任を果たすことで、企業の姿勢が伝わる
つまり、不祥事は「信頼の貯金」を一気に失う出来事ですが、誠実な対応によって“信頼の再積立”を始めることも可能です。それと共に、社内外の総力を結集して起きた事象を乗り越えたという経験値が得られます。
<コンプライアンスは「信頼を守る技術」>
企業が不祥事を防ぎ、信頼を守るためには、コンプライアンスの取組みが不可欠です。 コンプライアンスとは、単なるルールではなく、信頼を築くための“技術”であり“習慣”です。
〇 違和感に気づく力
〇 迷ったときに立ち止まる力
〇 相手の立場で考える力
これらの力を育てることで、企業は「良い企業」として社会に選ばれ続けることができます。それゆえ、不祥事などが起こった時にこそ、違和感に気づく力を習得し、迷った時に立ち止まる指示が出せる組織に変え、相手、被害者などの立場で考えさせる習慣を付けることを社内に指示し、不祥事を解決することが社会への信頼回復の一貫であることを認識させる必要があります。
<まとめ>
企業は不祥事によって多くを失います。しかし、解決に向けた誠実な対応と、信頼を築く日々の行動によって、信頼を得ることも可能です。その対応こそ、企業が社会からの信頼を回復して、良い企業である為の必須の事業活動であり、改善活動です。こうした視点を持ち、コンプライアンス研修や情報提供を通じて、お客様の「信頼を守る力」を支えることが、企業に求められる役割だと考えています。本日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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