過日、システムエンジニアの方とお話をする機会がありました。その中で印象的だったのは、「日本企業、特に中小企業では、システム化・DX化が進まない」という現場の実感でした。しかし、その理由は「お金がない」「人材がいない」といった表面的なものではなく、もっと根深い、組織の内側に原因があるというのです。
1.システム化阻害要因は、人と商習慣
システムエンジニアの方が語っていたのは、次のような現実でした。
〇 ペーパー文化が根強い
〇 手作業と紙保管が当たり前になっている
〇 人に頼る業務が多い
〇 特定の人しかできない、知らない業務が存在する
〇 業務が標準化されていない
〇 変化に対する抵抗が強い
システム化を阻害しているのは、技術の問題ではなく、人と組織の問題 だとのことでした。どれだけ優れたシステムを導入しようとしても、その前提となる業務が属人化していたり、紙保管と手作業に依存していると、経営者は決断できません。
2.経営者がシステム導入を躊躇する理由
システムエンジニアの方は、「システムを入れようとしても、社内から反対が出る」と言っていました。なぜ反対が出るのか。
〇 今のやり方を変えたくない
〇 自分の仕事が見える化されることを嫌がる
〇 標準化されると、自分の価値が下がると感じている
〇 新しい仕組みを覚えるのが面倒
〇 そもそも現状の問題に気付いていない
こうした人の心理が、システム化の最大の壁になります。そして経営者もまた、
〇 社内の反発が怖い
〇 現場の混乱を避けたい
〇 属人化を壊す覚悟が持てない
という理由で、導入を躊躇してしまうそうです。
3.中小企業のDX阻害要因は、構造的な問題
中小企業の多くは、次のような構造を抱えています。
〇 業務が人に依存している
〇 ルールが曖昧
〇 記録が残らない、記録を残す習慣がない
〇 判断が人によって違う
〇 仕組みがない
〇 教育が体系化されていない
この状態では、どんなに良いシステムを導入しても定着しません。つまり、システム化とは「業務の標準化」ができて初めて成立するものなのです。
4.業務の仕組み化まで提案できれば、課題は解決できる
過日の会話で、印象に残ったのは、「システムエンジニアやベンダーが、業務の仕組み化まで提案できれば、課題解決に向けて前進できる」と言う言葉でした。
これは、本当にその通りだと思います。多くの中小企業は、システムを入れる前の段階で、悩んでいるのです。
〇 業務の棚卸し
〇 標準化
〇 属人化の解消
〇 判断基準の統一
〇 記録のルール化
〇 教育の仕組み化
これらが整っていないから、システムが入らない。逆に言えば、ここを支援できるベンダーは、圧倒的な価値を提供できるということです。
5.代理店も、同じ構造を抱えている
この話は、保険代理店にもそのまま当てはまります。
〇 紙保管が一定数残っている
〇 手作業がウリになっている
〇 属人化している
〇 記録を残す文化が定着していない
〇 判断が人によって異なる
〇 仕組みを活用する文化がない
〇 何事にも新しいやり方が定着しない
代理店が抱える課題は、日本企業全体が抱える課題と同じ構造を持っています。だからこそ、仕組みづくり・標準化・理解の統一が重要になるのです。
<まとめ>
DXとは、仕組み化の結果であり、目的ではありません。
〇 システム化を阻むのは技術ではなく、人と組織
〇 紙保管・手作業・属人化が最大の壁
〇 経営者が決断できないのは、業務が標準化されていないから
〇 ベンダーが仕組み化まで支援できれば、市場は大きく広がる
〇 代理店も同じ構造を抱えている
〇 DXとは、仕組みが整った組織が自然に到達する結果
システム化やDXは、「仕組みが整った組織が自然にたどり着く地点」であって、最初の一歩ではありません。まず必要なのは、人が迷わず動ける仕組みをつくることではないでしょうか。そこからすべてが始まります。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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