ニデック社で1,000件を超える品質不正の疑いが報じられ、DeNA社では代表取締役社長が急遽退任し、創業者が社長に復帰するというニュースがありました。一見まったく別の出来事に見えますが、その背景には「創業者企業に特有の構造的な問題」が潜んでいるように感じます。そしてこれは、大企業だけの話ではありません。保険代理店にも、同じ構造が存在します。
1.創業者の強みは、組織の弱みになることがある
創業者には、共通して強い力があります。
〇 ゼロから事業を立ち上げる力
〇 誰よりも速く鋭い行動力
〇 営業の名プレイヤーとしての実績
〇 現場感覚に基づく判断力
これらは、創業期には圧倒的な強みです。しかし、事業が成長し、組織が大きくなるにつれて、その強みが“弱み”に変わる瞬間があります。
〇 トップの判断が絶対になり、意見が出にくくなる
〇 仕組みよりも、創業者の考え方が優先される
〇 後継者が育たない
〇 トップがすべてを抱え込み、組織が依存する
ニデックの品質不正も、DeNAのトップ交代も、更に申し上げれば、ダイエー、ソフトバンク、ユニクロ、楽天などの有名企業においても、根っこにはこの構造があるように見えます。
2.創業者に必要な3つの資質
創業者に求められる資質は、本来3つあります。
〇 創業能力(ゼロから立ち上げる力)
〇 成長能力(事業を拡大する力)
〇 継承能力(後継者を育て、任せる力)
多くの創業者は、最初の2つは突出しています。しかし、3つ目の「継承能力」 が弱いことが多い。その結果、
〇 後継者が育たない
〇 組織が属人化する
〇 トップ交代後に創業者の意にそぐわない
〇 不祥事や事故の芽に気づけない
などという問題が起きやすくなります。
3.保険代理店も創業者依存になりやすい
保険代理店は、特にこの傾向が強い業界です。
〇 経営者=トップ営業
〇 経営者=教育担当
〇 経営者=品質管理者
〇 経営者=クレーム対応者
つまり、創業者が倒れたら、会社も止まる構造になりがちです。これは、ニデックの品質不正やDeNAのトップ交代と同じく、「仕組みより人に依存する」構造が原因です。
4.創業者が、任せる力を持つために必要なこと
創業者が継承能力を高めるためには、特別な才能が必要なわけではありません。必要なのは、次の3つです。
〇 仕組みをつくること → 創業者に依存しない運営へ
〇 役割を分けること → 経営者が全部関わる状態から脱却
〇 任せる勇気を持つこと → 完璧でなくても、失敗を通じて育てる
〇 後継者が相談できる外部人材の支援を受ける
これらは、どれも時間はかかりますが、 確実に組織を強くします。
<まとめ>
今回のニュースは、大企業の話に見えますが、実は多くの保険代理店にも起こり得る問題を映し出しています。創業者の強みは、組織の財産です。しかし、それを組織の弱みにしないためには、継承能力を意識し、仕組みを整え、任せる体制をつくることが欠かせません。本日は、最近の報道を通じて感じたことを、少しだけ整理してお伝えしました。弊社では、後継者育成の支援業務も承っております。保険代理店の皆さまが、これからの組織づくりを考えるうえで、ほんの少しでも参考になれば嬉しく思います。



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