前回のブログにて、創業者企業が陥る事象について、ご説明しました。本日は、なぜ、創業者が後継者に任せられないのか、その理由について、分析してみます。耳の痛い言葉も出てくるかも知れませんが、最後までお読みください。
1.創業者が迎える分岐点
創業者は、良くも悪くも「自分のやり方が正しかったから今がある」と信じています。しかし実際には、「たまたま時代が合っていた」「たまたま市場が伸びていた」という偶然の追い風が重なっていただけ、というケースも多いのです。社会や価値観が変われば、後継者の判断の方が適切なこともあります。ここに気づけるかどうかが、創業者の分岐点になります。
2.必要な3つの資質
創業者に求められる資質は、3つあります。創業能力(ゼロから立ち上げる力)、成長能力(事業を拡大する力)、そして継承能力(後継者を育て、任せる力)です。多くの創業者は、最初の2つは突出していますが、「継承能力」 が弱いことが多いです。その結果、以下のような問題が起きやすくなります。
〇 後継者が育たず、組織が属人化する
〇 トップ交代後に創業者の意にそぐわない
〇 不祥事や事故の芽に気づけない
3.任せられない本当の理由
創業者が任せられない理由は、人物ではなく、構造にあります。
〇 自分がやったほうが早いと思ってしまう
名プレイヤー型創業者に最も多い構造です。
〇 後継者が失敗したと誤認してしまう
自分が正しいと考え、異なる結論を出した後継者を許容できない。
〇 任せると品質が下がるという誤解
後継者は、新しい品質を作り出そうとしていることを理解できない。
〇 後継者が「判断したプロセス」を聞きだせない
ここが最大の弱点です。創業者は結果主義になりがちですが、後継者育成に必要なのは、結果ではなくプロセスの対話です。判断理由、収集した情報、他の選択肢の検討状況、リスクの想定範囲など、判断のプロセスを聞き出すことで、後継者は育ちます。しかし創業者は、「自分ならこうした」と結論を先に言ってしまい、後継者の成長の機会を奪ってしまうのです。これこそ、創業者の最大の弱点です。
4.任せられる構造をつくるには
創業者が継承能力を高めるために必要なのは、特別な才能ではありません。
〇 仕組みをつくる → 創業者に依存しない運営へ
〇 役割を分ける → 経営者が全部関わる状態から脱却
〇 任せる勇気を持つ → 判断の相違を通じて育てる
〇 相談できる外部人材を活用する → 創業者と後継者の間をつなぐ役割
これらは時間はかかりますが、確実に組織を強くします。
<まとめ>
今回のテーマは、大企業の話に見えますが、実は規模の小さな企業にも起こり得る問題を映し出しています。創業者の強みは、組織の財産です。しかし、それを弱みに変えないためには、継承能力を意識し、仕組みを整え、任せる体制をつくることが欠かせません。企業経営者の皆さまが、これからの組織づくりを考えるうえで、ほんの少しでも参考になれば嬉しく思います。



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