生命保険と違い、損害保険は接点が自然に生まれる商品です。しかし、その接点を活かしきれていない代理店も少なくありません。本日は、損害保険代理店が「お客様の定着化」を図るために必要な視点と、 そのための具体的な取り組みについて整理してみたいと思います。
1.接点が自然に生まれる商品
損害保険には、生命保険にはない自然な接点が数多く存在します。
〇 毎年更新時期が決まっている
〇 保険事故の発生頻度が高い
〇 保険期間中に契約内容や補償条件の変更が発生しやすい
〇 契約が譲渡されることもある
〇 家族という補償条件がある
上記のような特徴があるにも関わらず、お客様との接点を活かせていないという課題を抱えていると認識していない代理店さんが、多く見られます。
2.接点を定着化に活用できていない理由
自然な接点が多いにもかかわらず、お客様が離れてしまう代理店には共通点があります。
〇 更新手続きが形式的(前年条件と同様へ誘導する)
〇 書類だけ送付して終わり(手続きはお客様自身が行う)
〇 保険事故の対応で信頼を失う
〇 担当者によって品質がバラバラ(損保業界共通の課題)
〇 代理店のお客様でなく、募集人のお客様
〇 生活環境や経済状況の変化を聞き出さない為、提案営業ができない
つまり、接点はあるのに、価値提供ができていないという課題が見えてきます。
3.お客様が求めているもの
お客様が求めているのは、生命保険と同じく、人としての安心感ですが、損保特有の要素もあります。
〇 保険事故があった時に信頼を失わないアクションができる
〇 更新の際、生活環境や経済状況の変化を確認して、必ず提案してくる
〇 わかりやすい言葉に直して、説明してくれる
〇 担当者が変わっても、募集品質(募集人関わる一連の動作)が同じ
〇 自分のことをより詳しく知りたがり、覚えている
損害保険は、生命保険よりリスクを取り巻く環境の変化の機会が多いことから、より詳細にお客様情報を得ておく必要があります。それゆえ更新の都度、顧客の環境を確認する作業がひと手間必要であり、そこから得た情報を踏まえて、ベストな提案ができることが求められています。昭和の時代は、事故現場に駆けつける代理店が有利でしたが、現在は保険会社の初動体制が整い、事故現場での対応が代理店の差別化要因ではなくなりました。
4.更新対応の質の高さと統一化が定着化のカギ
更新手続きは、お客様との最大の接点であり、最大の価値提供の場です。しかし現実には、以下の様な対応が多いようです。
〇 前年と同じ条件で変わらないことの確認のみ
〇 書類送付して、手続きはお客様がオンライン上で行う
〇 電話やメールだけで完結させる対応
この状況下では、定着化どころか契約離脱の原因になり得ます。行うべきは、
〇 生活環境や経済状況の変化に関するヒアリング
〇 補償内容を専門用語を使わずに正しく説明する
〇 事故発生の傾向や予防対策、新たなリスクの共有などの情報提供
〇 将来に備えた提案営業(生保契約を含む)
更新対応の質が、代理店の品質であり、お客様が求める代理店の価値そのものなのです。
5.事故時の対応は定着化の推進策
損害保険は、生命保険と比較して保険事故が発生する頻度が大きいという特徴があります。それゆえ事故時は、お客様が代理店への信頼を感じる時です。
〇 速やかに保険会社が初動できるように支援してくれる
〇 経過報告をしてくれて、安心させてくれる
〇 必要な手続きを案内し、必要に応じて支援してくれる
〇 保険会社との橋渡しをしてくれる(お客様は保険会社が苦手)
事故が起きた時に信頼を深める代理店は、「〇〇してくれる」とお客様に感じさせる代理店です。この対応ができれば、お客様は絶対に離れません。
6.募集人品質の差が定着化の最大の阻害要因
損害保険は接点が多い分、募集人の品質差がそのままお客様満足度の差になるという特徴があります。
〇 説明の仕方の違い
〇 更新対応の違い
〇 事故発生時に「〇〇してくれた」と感じさせない対応
〇 お客様情報を把握し、リスクの見直しという専門性を発揮しない
これらが募集人によって品質や頻度がバラバラだと、お客様は不安になりやすい傾向にあり、その結果、契約の離脱につながります。
7.組織型代理店の強みは品質の均一化
定着化の取組みは、個人の力量ではなく、組織の仕組みで実現するものです。
〇 顧客対応記録を一元管理する
〇 更新時の標準フローが実行されている
〇 事故対応のマニュアル化が実行されている
〇 担当者教育が制度化され実行されている
〇 品質の均一化ができているかをチェックする仕組みが機能している
これらを整えることで、「誰が担当しても安心」という状態が生まれます。
8.定着化の取組みは、生損保商品の併売に繋がる
損保商品でお客様との接点の頻度を増やし、その対応によりお客様の信頼を積み重ねることで、生保商品を提案した際、生保も任せてみようとお客様に思わせることこそ、定着化の取組みを実行している証です。つまり、定着化の取組みは、代理店全体の経営基盤を強くする入口になります。
<まとめ>
お客様の定着化は、接点の質で決まります。損害保険は、接点が自然に生まれる商品です。だからこそ、更新対応の質、事故時の支援対応、担当者の品質統一、顧客情報の管理、組織としての仕組みを整えることで、お客様は代理店さんから離れなくなります。ネット保険に加入するメリットがなくなるからです。本日の内容が、代理店経営を見つめ直す小さなヒントになれば嬉しく思います。更に詳細に知りたい方は、本ホームページ上部のお問合せより、ご連絡ください。



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