比較推奨販売の監督指針を読み解く

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比較推奨販売は、制度としてはシンプルに見えますが、実務の現場では誤解されやすい領域です。特にロ方式を採用する代理店がほぼ100%である現状では、比較推奨の流れを正しく理解しているかどうかが、業務品質に直結します。本日は、監督指針が示す「比較推奨販売の4つの流れ」を整理しながら、その意図を読み解いていきます。
※ 比較推奨販売は、金融庁「保険会社向けの総合的な監督指針」 (III-2-4-2 保険募集管理態勢)に記載されています。 https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/insurance/03.pdf (fsa.go.jp in Bing)

1.比較推奨販売の構成
監督指針では、比較推奨販売を次の4つのステップで整理しています。
 ① 顧客の意向を把握する
 ② 意向に基づき比較の基準(比較軸)を設定する
 ③ 複数の商品を中立的に比較する
 ④ 比較結果に基づき推奨理由を説明する
この4つが揃って初めて、比較推奨販売は成立します。

2.① 顧客の意向を把握する
比較推奨の出発点は、必ず「顧客の意向」です。監督指針では、意向把握について次のような点が求められています。
 〇 顧客が何を重視しているか
 〇 どのリスクを心配しているか
 〇 補償と保険料の優先順位
 〇 過去の経験や不満点
 〇 ライフスタイルや事業の状況
つまり、顧客の価値観と優先順位を把握することが前提です。

3.② 意向に基づき比較の基準(比較軸)を設定する
意向を把握したら、それを比較できる形に変換します。監督指針では、意向に基づく比較基準の設定が明確に求められています。例として、
 〇 地震が心配 → 比較軸:地震補償の範囲・免責・支払要件
 〇 保険料を抑えたい → 比較軸:免責・補償範囲の優先順位
 〇 事故対応が不安 → 比較軸:付帯サービス・事故対応体制
このように、意向を比較軸に変換することが制度の中心です。

4.③ 複数の商品を中立的に比較する
監督指針では、中立性について次のような考え方が示されています。
 〇 同じ項目で比較する
 〇 顧客意向に関係ない項目は入れない
 〇 不利な情報も必ず載せる
 〇 順番を恣意的に変えない
つまり、比較表は中立性を担保するための道具ではなく、 中立性を表現するための形式にすぎないということです。比較の中立性を担保するのは、あくまで比較軸です。

5.④ 比較結果に基づき、推奨理由を説明する
監督指針が最も重視しているのが、この推奨理由の説明です。推奨理由は、次の因果関係で説明される必要があります。
 意向 ⇒ 比較軸 ⇒ 比較結果 ⇒ 推奨理由
この流れが明確であれば、「なぜその商品を推奨するのか」が顧客にとっても分かりやすく、誘導と誤解されるリスクも低くなります。

6.監督指針の意図
監督指針がこの流れを求める背景には、次の制度的意図があります。
 〇 顧客本位の業務運営を実現するため
 〇 誘導と誤解されないため
 〇 説明責任を果たすため
 〇 非対面募集でも品質を揃えるため
 〇 代理店の業務品質を安定させるため
つまり、比較推奨販売は形式ではなく、顧客意向に基づく合理的な説明プロセスとして位置づけられています。

<まとめ>
比較推奨販売とは、顧客の意向を把握し、意向に基づき比較軸を設定し、中立的に比較し、推奨理由を説明することです。この4つが揃って初めて、比較推奨販売は成立します。次の機会には、この制度の流れを実務でどう行うかについて、ご説明したく考えています。

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