募集品質と業務品質は別物

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保険代理店の「業務品質」という言葉は、よく耳にします。しかし、実際に現場を見ていると、多くの代理店主が “募集人の募集品質=業務品質” と考えているように感じます。もちろん、募集人一人ひとりのスキルは重要です。しかし、それだけで業務品質が決まるわけではありません。むしろ、この誤解こそが、代理店の品質向上を妨げている要因と感じています。

1.業務品質とは何か
業務品質とは、本来こう定義されるべきものです。
 〇 誰が担当しても、一定の品質が提供される状態
 〇 組織としての仕組みやプロセスが整っている状態
 〇 顧客が安心して任せられる“再現性のある品質”
つまり、業務品質とは“組織の品質”であり、個人の力量とは別の概念です。

2.業界に根強い誤解「募集品質=業務品質」
多くの代理店では、次のような状況が見られます。
 〇 優秀な店主や募集人がいると「うちは品質が高い」と思ってしまう
 〇 個人の経験や勘に依存して業務が回っている
 〇 募集人ごとに説明の仕方や対応がバラバラ
 〇 組織としての標準化が進んでいない
この状態では、業務品質は“個人任せ”になり、組織としての品質は安定しません。

3.業務品質は“組織の仕組み”
募集品質とは、コミュニケーション力、商品知識、提案力、説明のわかりやすさで評価されます。一方で、業務品質とは、手続きの標準化、情報共有の仕組み、顧客対応の一貫性、記録・管理のルール、教育・振り返りの仕組みで評価されます。個人のスキルが高くても、組織の仕組みが弱ければ業務品質は上がりません。多くの代理店主は、この定義を混同しています。

4.混同が生む3つの問題
募集品質と業務品質を混同すると、次のような問題が起きます。
① 品質がバラバラになる(均一化できない)
 募集人ごとに対応が異なるなど、顧客体験が統一されない
② 組織として成長しない
 個人の力量に依存するため、仕組みが育たない
③ リスクが増える
 属人的な対応は、説明不足や手続きミスにつながりやすい
 力量が高い募集人への指導や指摘が少なくなり、不祥事等の発見が遅れる
この3つは、代理店経営にとって大きなリスクです。

5.業務品質を高めるための第一歩
改善の第一歩は、代理店主が次の認識を持つことです。
 〇 業務品質は“仕組み”でつくるもの
 〇 募集品質は業務品質の一部にすぎない
 〇 個人任せでは品質は安定しない
そのうえで、次のような取り組みが必要になります。
 〇 対応プロセスの標準化
 〇 顧客対応のルール化
 〇 情報共有の仕組みづくり
 〇 振り返りと改善の習慣化
 〇 教育の体系化
これらは、どれも“組織としての品質”をつくるための基盤です。この取組みなくして、業務品質は評価されないばかりか、向上することも不可能です。

<まとめ>
保険代理店の業務品質は、募集人の力量では評価されません。募集人の力量だと考えている代理店主は、恐らく保険会社が営業推進をしなくなった今日でも、挙績の拡大なくして成長はないと平然と語ることでしょう。これは、大きな勘違いです。大切なのは、
 〇 組織としての仕組みを整えること
 〇 誰が担当しても一定の品質を提供できる状態をつくること
 〇 募集品質と業務品質を明確に分けて考えること
業務品質とは、“再現性のある品質”のことです。その再現性を生み出すのは、個人ではなく、組織の仕組みです。
弊社では、組織としての仕組みの整え方、品質を統一する環境作りについて、社外の伴走者としてご支援しています。業務品質を評価される為には、この取組みは必須です。業務品質の定義について、考えてみる機会を持つことをお勧めいたします。

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