無意識のハラスメントを防ぐ

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前回は、価値観のズレを理解するための対話の重要性について触れました。しかし、どれだけ対話を重ねても、自分の“心のクセ”に気づけないままでは、無意識のハラスメントが起きてしまうことがあります。本人に悪意があるわけではありません。問題は、「自分の言葉が相手にどう届いているか」が見えにくくなる という点にあります。本日は、無意識のハラスメントを生む“心のクセ”と、その防ぎ方について考えてみたいと思います。

1.無意識のハラスメントが起きる背景
① 立場の違いによる“力の差”
トップや管理職の言葉は、意図以上に重く響きます。同じ言葉でも、受け手の感じ方はまったく違います。
② 過去の常識が“今の非常識”になる
昔は普通だった指導が、今はハラスメントと受け取られることがあります。時代の変化に気づかないと、無意識の加害者になってしまいます。
③ 自分の価値観が“正しい基準”になってしまう
「自分はこうしてきた」「これくらい普通」この思考が、相手の価値観を押しつぶすことにつながります。

2.無意識のハラスメントを生む“心のクセ”
① 正しさの押しつけ
「こうすべきだ」「普通はこうだ」自分の基準を相手に当てはめてしまうクセです。
② 相手の状況を“推測”で決めつける
「きっとこう思っているはず」推測はズレを生み、誤解を深めます。
③ 成長=厳しさという思い込み
「厳しく言うのは愛情」その“厳しさ”が相手を傷つけることもあります。
④ 感情より“効率”を優先する
忙しい時ほど、言葉が荒くなりがちです。効率を優先すると、相手の尊厳が置き去りになります。

3.心のクセを防ぐための“3つの視点”
① 相手の受け取り方を基準にする
「自分がどう言ったか」ではなく、「相手がどう受け取ったか」を基準にする。
② 価値観の違いを前提にする
自分の常識は、相手の非常識かもしれません。違いを前提にすると、言葉が自然と丁寧になります。
③ 一呼吸おいて話す習慣をつくる
忙しい時ほど、言葉が強くなります。一呼吸おくことで、無意識のクセを抑えられます。

4.日常でできる“セルフチェック”
 〇 今日、誰かを急かしすぎなかったか
 〇 相手の話を遮っていなかったか
 〇 「普通は」「当然だろう」を使っていないか
 〇 相手の立場に立って言葉を選べたか
小さな振り返りが、無意識のクセを減らす一番の方法です。

<おわりに>
無意識のハラスメントは、悪意ではなく“心のクセ”から生まれます。トップや管理職ほど、周囲が指摘しづらいため、リスクが高まります。必要なのは、「相手基準で考える姿勢」と「クセに気づく習慣」 です。明日は、シリーズ最終回として 自分の言動を振り返るための習慣づくり を取り上げる予定です。

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