幼稚園バスでの事故

orange van die cast model on pavement

また、幼い命が失われました。幼稚園バスの運転手が、園児が車内に残っていることを確認せずに、扉を閉めたまま車を離れた結果、取り残された園児が熱中症で死亡しました。本日は、この事故について、考えたいと思います。

幼稚園には業務マニュアルがあり、園児が全員降車した後、運転手は残った園児がいないかを確認するフローになっていました。同乗する保育士が乗降車する園児の氏名を確認して記録を付けていました。また、幼稚園が始まる時、出欠を確認し、昼食時にも確認するフローになっていました。

しかし、当日は運転手がお休みで、代わりに園長が運転しました。園長は着任から間もないこともあり、業務マニュアルや実務の理解が十分でなく、園児が車内の確認を漏らしました。降車する際の確認記録も正しくは行われず、亡くなった園児は降車したと記録していました。園児の出欠確認や昼食時の確認も、適切に行われておらず、帰りのバスを動かすまで、亡くなった園児に気づきませんでした。

報道を拝見する限り、マニュアルに基づく業務フローの実施状況について、確認する仕組みが機能していなかったことが原因と思われます。更に真因は、定期的に業務フローを確認して、不備があれば改善することで園児の安全と安心を守り、園児の成長を見届けようとする幼稚園本来の目的が、正しく理解されていなかったことにあります。

もう一度、幼稚園の理念や目指す姿を改めて役職員全員が習得したうえで理解し、マニュアルや業務フローが理念や目指す姿を確実に実践させているか、確認する仕組みを作り直すことが必要です。これを機に見直しを行うという経営者がいないと、再び悲しい事件が起こるかも知れません。

こういった見直しや仕組み作りに関するご相談には、幼稚園が目指す姿や親御さんへ公表しているメッセージを基にして、マニュアルや業務フローが実務と違和感がないか、できない場合はほかの手段がないか、要員代替の場合は、どのようにして安全と安心を確保するのかなどを含めて、見直しを行うご支援をさせていただきます。これ以上、不幸な事件が起こらないことを願っています。

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