女性議員38名によるフランス研修について、観光と思われる写真をSNSへ投稿した結果、観光旅行と誤解され、批判を受けました。本日は、SNSの発信について、考え方を整理してみます。
今回の問題が発生した原因は、SNS発信に対する動機の違いと思われます。女性議員は、充実した研修の中にも観光の時間や食事の時間があり、ひと休みしてフランスを楽しむ姿を伝えたいのが、動機と思われます。一方、SNSを見る側は、海外研修の概要や成果を期待していました。このギャップが、SNSへの厳しいコメントと、女性議員による釈明会見に至りました。
事業活動においても、動機や目的の理解は、正しく伝え、適切に対応する為の必要条件です。一般的には、事業活動の動機や目的は、企業理念や経営理念から読み取ることができます。現実の事業活動においても、事業や業務の目的に対する従業員の理解度により、結果が大きく変わることがあります。
事業や業務の目的に対する理解度は、平時だけでなく有事の際にも、より大きな影響を与えます。事業継続計画(BCP)を適用する事象が起きた時や、不祥事・品質不正などが起きた時、社会からの信頼回復や原状復帰にかける意気込みや姿勢において、理解度により左右されることが多いようです。
コンプライアンスや、企業を取り巻くリスクに対するマネジメントの際、企業全体として、制度、仕組み、取組みに目が行きがちですが、それ以前に、事業や業務の目的に対する理解度により、実効性や成果に影響があると考えて、コンプライアンス実施計画やリスクマネジメント計画の確認事項の一つとして、抑えておくべきと思われます。
今回の女性議員も、研修風景と共に、余った時間で観光や食事の風景を掲載して、コメント付記すれば良かったと思います。写真は、一部を切り取られて報道されると、被害者みたいなコメントしている人がいますが、写真に限らず、報道とは一部にフォーカスした記事です。動機と目的の理解度さえ、しっかりしていれば、そんな心配には至らないと思われます。言葉足らずにならないように、丁寧に説明しましょう。



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