保険代理店に新規制

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新聞報道によると、大型中古車販売店による保険金不正請求事件や、企業向け保険の価格調整事件を契機にして、金融庁は、大規模な保険代理店の規制強化に乗り出すそうです。本日は、新たな規制と対策について、保険代理店の立場で考えてみます。

規制の内容は、大きく二つあります。一つは、コンプライアンス担当者設置の義務付けです。保険金の不正請求以外に、保険業法ならびに各種法令の遵守状況、顧客本位の業務運営の取組み状況、代理店の企業経営状況などについて、経営や現場と独立した部署を求めることになると思われます。必然的に、高い業務知識と高い倫理観を持った人材の登用と、経営者へモノが言える企業体質が求められます。

保険会社は、所管する代理店に対してコンプライアンス担当者の登録を求め、担当者の有無を確認します。個々の代理店の風土や特性が異なることから、担当者の育成手法や定期的な社内点検のノウハウなどの指導は難しいと思われます。保険業法は、代理店自ら体制整備を行う義務があることから、代理店自ら指導育成すべきであり、保険会社のコンプライアンス・ハンドブックを参考にするよう指示すると思われます。

もう一つは、企業グループの機関代理店向けの対策です。保険会社と企業との間に立ち、不適切な保険契約を見破れない実態を排除する目的です。具体的には、ブローカーと保険代理店の協業・兼営を認める方向で検討しているそうです。ブローカー兼代理店が中立的な立場で保険会社と交渉し、カルテルが起きない態勢を求めています。

企業グループは自社契約について、ブローカー代理店と自社の機関代理店に代理店分担契約を締結するかも知れません。しかし、ブローカーに対する新たな出費が生じ、ブローカー代理店に分担する分だけ、代理店手数料が減ることになります。その分だけ、契約保険料が安くなれば、ペイできるという考え方になります。

機関代理店は、親会社にブローカー費用を支払わせ、代理店手数料が減ることから、ブローカー並みの中立的な立場で保険会社と交渉する人材を新たに採用することを検討すると思われます。その場合、取引のない保険会社のOB/OGを採用することが考えられます。対象は、本社商品開発部門の業務経験のある人です。

新たな規制に対応する為には、保険代理店には、どういう対策が必要でしょうか。一つは、コンプライアンス担当者、責任者の育成です。自社で適切な育成環境がない場合は、弊社のようなコンプライアンス研修を行う事業者に、アウトソーシングすることが考えられます。

もう一つは、保険会社の本社商品開発部門の経験がある人を採用することです。取引ある保険会社に転籍含みの出向者依頼を行う手法が考えられますが、保険会社から出向・転籍した人による契約情報の漏えい事件が多発している現状を踏まえ、各保険会社は、自社代理店への出向・転籍を控えるでしょう。そうなると、保険代理店や企業グループが、転職支援サービス企業に人材を求めることになるかも知れません。

今後、新たな規制に関する情報が追加報道されると、別の方法が考えられると思います。急ぐことはありませんが、新たな規制に備えて、色々な可能性を模索することから始めておくと良いと思います。弊社では、コンプライアンス担当者の育成のご支援を承っております。

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