既にお伝えしたとおり、2026年度以降の代理店経営では、“法令遵守”ではなく“業務品質の統一”が最低ラインになります。その中核となるのが、統一フローの整備です。統一フローは、単なる手順書ではありません。「誰が対応しても、同じ品質で説明できる状態」をつくるための設計図であり、経営者には、デザイナーの役割があります。本日は、統一フローをどのように作り、どう運用していくかを整理してみます。
1.統一フローが必要な理由
乗合代理店はもちろん、専属代理店であっても、生損保を扱う以上、複数社の基準を踏まえる必要があります。
〇 意向把握の深度
〇 説明の順序
〇 非対面募集の基準
〇 記録の残し方
〇 理解度確認の方法
これらは、会社ごとに微妙に異なります。 そのため、募集人が「会社ごとに説明を変える」ことは現実的ではありません。だからこそ、代理店としての“統一フロー”を作り、全募集人が同じ流れで説明できる状態をつくることが、最低ラインになる という流れは避けられません。
2.統一フローは“最低品質ラインの可視化”
統一フローとは、代理店としての最低品質ラインを“見える化”したものです。
〇 どの会社でも共通して求められる説明
〇 意向把握・説明・確認の順序
〇 非対面募集の最低基準
〇 記録管理の統一ルール
これらを「流れ」として整理することで、募集人の迷いがなくなり、説明漏れ・確認漏れが大幅に減ります。損保系の代理店経営者の方は、お気づきと思いますが、非対面募集の統一フローが、最も統一させたいルールです。
3.統一フロー作成の5ステップ
統一フローは、次のステップで作成するとスムーズです。
ステップ1:現状フローの棚卸し
〇 募集人ごとの説明の流れ
〇 対面・非対面の違い
〇 記録の残し方
まずは“現状のバラつき”を把握します。
ステップ2:会社別基準の共通項を抽出
〇 意向把握
〇 説明義務
〇 理解度確認
〇 記録
複数社の基準を並べ、各社が求める業務品質の共通部分を抽出します。
ステップ3:代理店としての標準フローを設計
〇 対面・非対面の両方
〇 説明の順序
〇 確認のタイミング
〇 記録の残し方
代理店としての“軸”をつくります。
ステップ4:会社別の“上乗せ基準”を整理
標準フローに対して、会社ごとの追加要件を整理します。
※標準フローを変えず、上乗せで吸収することがポイントです。
ステップ5:募集人向けに分かりやすく図式化
〇 図
〇 チャート
〇 箇条書き
誰が見ても理解できる形にします。
4.対面・非対面それぞれの統一フローのポイント
統一フローは、対面と非対面で分けて考える必要があります。
<対面のポイント>
〇 意向確認の方法
〇 説明の順序
〇 意向把握の深度
〇 重要事項説明の流れ
<非対面のポイント>
〇 画面共有のタイミング
〇 書面送付のタイミング
〇 理解度確認の方法
〇 記録の残し方(証跡)
特に非対面は、会社ごとの基準差が大きいため、 統一フローがないと全社の基準を満たしません。
5.統一フローを“運用に乗せる”ための工夫
統一フローは、作っただけでは意味がありません。 現場で“使われる”状態にするためには、次の工夫が必要です。
〇 ロープレでフローを実務に落とし込む
〇 チェックリストと連動させる
〇 管理職がモニタリングする
〇 例外処理のルールを明確にする
〇 新人教育に組み込む
統一フローは、運用して初めて価値が生まれます。
6.統一フローがもたらす効果
統一フローを整備すると、代理店は確実に強くなります。
〇 品質向上の成果が見える
〇 説明漏れ・確認漏れの減少
〇 苦情・トラブルの減少
〇 募集人の迷いが減る
〇 新人教育が楽になる
〇 保険会社からの信頼向上
〇 組織文化が強くなる
統一フローは、代理店の“競争力”そのものです。
<まとめ>
統一フローは、業務品質統一の中心にある“設計図”です。
〇 現状の棚卸し
〇 共通項の抽出
〇 標準フローの設計
〇 上乗せ基準の整理
〇 図式化と運用
この流れをつくることで、代理店は確実に強くなります。2026年度は、統一フローを“形にする年”です。組織が一つになり、品質が安定し、代理店の基盤がより強くなります。



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