年度末リスクとメッセージ

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多くの企業は3月末が年度末を迎えます。自社が年度末でなくとも、取引先や購買・支払先が年度末決算を迎えるケースは多く、組織全体が慌ただしくなる時期です。この時期は、焦りや油断が重なり、アクシデントやトラブルが最も起きやすいタイミングでもあります。今日は、年度末・年度初に気を付けるべき点について、考えてみたいと思います。

1.年度末に起きやすい3つのリスク
① 焦りによる判断ミス
どんな企業においても、年度末は数字のプレッシャーが強くなります。その結果、次のような無理な判断が起きやすくなります。
 〇 無理な契約・無理な納期
 〇 曖昧なままの承認
 〇 「とりあえず進めてしまう」という判断
焦りは、事故や不祥事の最大の要因です。
② 引き継ぎ不備によるトラブル
年度末は、人事異動・退職・担当変更など、職場環境の変化が重なる時期です。
 〇 顧客情報の引き継ぎ不足
 〇 口頭ベースの曖昧な申し送り
 〇 重要書類の保管場所が不明
こうした引き継ぎの穴に相当する部分が、年度初のアクシデントにつながります。
③ 心の緩み・油断
「もうすぐ終わる」という心理が働き、チェックが甘くなります。
 〇 ダブルチェックの省略
 〇 業務手順の省略
 〇 ルール逸脱の見逃し
年度末は、油断が最も危険な時期です。

2.取引先・支払先が年度末を迎える場合の注意点
自社が年度末でなくても、取引先が年度末の場合は注意が必要です。
① 相手先の“焦り”が自社に影響する
 〇 納期の前倒し依頼
 〇 急な発注・急な変更
 〇 曖昧なままの依頼
相手の焦りに巻き込まれると、自社の品質が落ちます。
② 支払・請求の締め処理が混乱しやすい
 〇 請求書の誤送付
 〇 支払期日の勘違い
 〇 伝票処理の遅れ
相手先の年度末は、自社の経理・購買にも影響します。
③ コミュニケーション不足がトラブルを生む
 〇 「言ったつもり」「伝わったと思った」
 〇 メールだけで済ませてしまう
 〇 担当変更の連絡漏れ
年度末は、普段以上に“確認の質”が問われます。

3.年度初に起きやすい“3つの落とし穴”
① 方針が曖昧なまま走り出す
新年度は、組織が動き出すタイミングです。しかし、方針が曖昧だと、現場は迷いながら動くことになります。
② 新人・異動者のフォロー不足
研修だけで終わり、実務フォローが弱いと事故が起きます。「聞きづらい空気」が最も危険です。
③ 昨年の課題を持ち越す
反省が形骸化し、同じミスを繰り返す組織は成長しません。年度初こそ、課題の棚卸しが必要です。

4.経営者が発信すべきメッセージ
① 「焦らない・無理をしない」
数字よりも品質。無理な判断をしないことが、結果的に組織を守ります。
② 「引き継ぎは仕事の一部」
引き継ぎの質は、組織の質です。書面化・標準化・チェックリスト化が重要です。
③ 「今年の軸はこれ」
 〇 何を大事にするのか
 〇 何をやらないのか
 〇 判断基準は何か
軸が明確だと、組織の迷いが消えます。

<まとめ>
年度末は焦り・油断・引き継ぎ不足が重なり、事故が起きやすい時期です。年度初は、方針の曖昧さやフォロー不足がトラブルを生みます。自社が年度末でなくても、取引先や支払先が年度末を迎えることで、自社の業務にも影響が出ます。だからこそ、この時期は普段以上に「確認の質」と「コミュニケーションの質」が求められます。本日は、年度末を迎えるにあたって、経営者が発信すべきメッセージについて、ご説明しました。本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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