業務品質の統一が最低ライン

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保険代理店の業務品質は、これまでは「法令遵守」が最低ラインでしたが、2026年度以降は、“統一された業務品質”が最低ラインになります。特に、乗合代理店は保険会社ごとに基準が異なり、募集人ごとに説明の仕方が違うのが実態です。この状況を放置すれば、トラブル・苦情・指摘は必ず増えます。だからこそ、代理店として“品質を統一する”ことが重要になります。本日は、業務品質の統一について、ご説明します。

1.“統一された業務品質”が最低ラインになる理由
乗合代理店は、保険会社ごとに異なる基準を扱う必要があります。専属代理店でも生損保を扱う代理店であれば、求められる業務品質は複数社の基準を踏まえたものになります。
 〇 意向把握の深度
 〇 説明品質
 〇 非対面募集の基準
 〇 記録の管理
 〇 お客様トラブルと苦情の対応姿勢
これらは会社ごとに微妙に異なります。そのため、募集人が「会社ごとに説明を変える」ことは現実的ではありません。結果として、“代理店として統一した品質”を作り、その基準を全募集人が守ることが最低ラインになる という流れは避けられないからです。

2.業務品質がバラつく“3つの要因”
業務品質統一の必要性を理解するためには、まずバラつきの要因を押さえる必要があります。
 〇 会社ごとの基準の違い
 〇 募集人の経験差・理解度の差
 〇 代理店社内の暗黙ルール・属人化
この3つが重なると、同じ代理店内でも説明品質が大きく異なり、お客様トラブルや苦情の温床になります。

3.“最低業務品質ライン”の設定
業務品質統一の第一歩は、「代理店としての最低品質ライン」を明確にすることです。
 〇 どの会社でも共通して求められる品質
 〇 意向把握・説明・確認の統一基準
 〇 非対面募集の統一フロー
 〇 記録管理の統一ルール
保険会社ごとの基準は“上乗せ”として吸収し、 まずは代理店としての“軸”をつくることが重要です。

4.業務品質統一とロープレ
業務品質を統一するには、ロープレの強化が欠かせません。ここが読者にとって分かりにくいポイントなので、丁寧に説明します。業務品質の統一とは、「全募集人が同じ説明レベルに到達している状態」です。しかし、同じ説明レベルに到達するには「読むだけ」「聞くだけ」では身につきません。
 〇 説明の順序
 〇 言い回し
 〇 お客様の反応への対応
 〇 非対面での説明スキル
これらは、実際に声に出し、相手の反応を見ながら練習しなければ習得できません。つまり、統一品質を実現するためには、社内ロープレが不可欠 ということです。ロープレは「教育のための手段」ではなく、“品質統一のための仕組み”なのです。

5.統一フロー・チェックリストの整備
業務品質の統一を実務に落とし込むためには、統一フローとチェックリストが必要です。
 〇 対面・非対面の統一説明フロー
 〇 意向把握・説明・確認の手順
 〇 記録管理のチェックポイント
 〇 会社別の違いを吸収した代理店内の標準フロー
これらが整備されることで、 募集人の迷いが減り、お客様トラブルや苦情のリスクも大幅に下がります。

6.業務品質の統一がもたらすメリット
業務品質の統一には、以下のように、代理店経営にとって大きなメリットがあります。
 〇 顧客満足度スコアの向上
 〇 お客様トラブルと苦情件数の減少
 〇 保険会社からの信頼度向上
 〇 募集人が迷う機会が大幅に減る
 〇 組織文化が強くなり、統制の取れた環境に近づく
総じて言えば、品質が統一されていると、業務品質向上の取組み成果が“見えやすくなる”ということです。更に申し上げれば、ロープレの効果、教育の効果、フロー改善の効果が明確に見えるようになり、代理店経営にとって大きな武器になります。

<まとめ>
代理店にとって、これからの最低ラインは“法令遵守”ではなく、“業務品質の統一”です。経営者が理解すべきは、
 〇 品質がバラつく原因を理解する
 〇 代理店としての最低品質ラインを設定する
 〇 社内ロープレで品質を定着させる
 〇 統一フローを実施することで募集人の迷いを減らす
 〇 品質統一のメリットを享受する
この流れをつくることが、2026年度の代理店経営における大きなテーマになります。業務品質の統一は、代理店の“競争力”の源泉です。そして、業務品質が統一されているからこそ、改善の成果が見え、組織は一つになり、より強くなります。

保険会社の担当者から「品質の高い代理店ですね」と言われて安心していると、いつの間にか足元をすくわれる時代です。「作る、教育する、運営する、定着させる」ことで、業務品質の統一を進めましょう。

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