保険代理店さんにおいて、契約者の付保意思を十分に確認しないで手続きを進めてしまい、「契約した覚えがない」「希望した補償内容と異なる」などのご不満の声を受けることがあります。本日は、付保意思の確認について、考えてみたいと思います。
ご不満の声を受ける要因は、契約手続きに時間を要していない、電話で連絡が取れていない、書面や画面で説明していない等のようです。当事者へ厳重注意したり、会議などで事案を共有するなどの対策を講じていますが、本日は、体制整備やコンプライアンス経営の観点から考えてみます。
更新契約固有の事象として、お客様と連絡が取れないことがあります。電話(固定、スマホ、LINE)、メール(スマホ、パソコン、勤務先、SMS)のうち、契約時に幾つかを伺い、連絡優先順位と連絡可能な時間帯を確認する対策が考えられます。これは、銀行が行っている対策です。
これを機に体制を整備したい代理店さんには、各保険会社のオンライン上にある対応内容を記録する画面を活用する方法をお薦めしています。対応内容とは、お客様からのご意見・ご不満・お褒めではなく、連絡した先と伝言内容、具体的な意向把握の内容、提案・説明、意向確認など商談全部です。
これを全顧客に対して記録すれば、「契約した覚えがない」「希望した補償内容と異なる」などのご不満の声が入った際に、説明責任が果たせます。この取組みは、各代理店さんが定めた経営理念や企業理念に合致した取組みになるはずです。意向把握確認の画面へコピーすれば、一石二鳥です。
何も記録していない現状からすると、大変ロードが増えるように見えますが、商談をすれば商談記録を作成するのは、保険以外のどの業種でも当たり前に行っていることです。全件を記録すれば、管理職の皆様は、朝一番に前日記入分の記録に目を通す業務が加わりますが、業務管理手法が統一・明確化され、従業員へのけん制機能となり、加えて1to1ミーティングの際の話題にも使えます。
お客様からのご意見・ご不満・お褒めなどを月間〇〇件入力するなどという目標値を掲げる代理店さんや、お客様から苦情やご不満をいただいた内容があった場合にその対応を叱責する代理店さんは、目的を誤っているので、上手くいきません。記録目的を正しく伝えることで、経営理念や企業理念に対する理解が深まります。
一度の体制の見直しでは、なかなか上手くいかなかったり、十分でない場合があります。そこで、更にお客様の不安を解消したり、満足度を高めるために、更に良い仕組みに見直していくことが、体制整備の本質です。


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