トップにハラスメント研修がない理由

知事や市長の辞職に象徴されるように、首長によるハラスメント問題が社会的な注目を集めています。一流と言われる企業では、定期的にハラスメント研修が定着しつつありますが、自治体のトップ層に対しては十分な研修が行われているのでしょうか。

<自治体の現状>
統計によれば、都道府県や指定都市では100%、市区町村でも96%以上が職員向けのハラスメント防止措置を導入済みです。一方、首長や議員を対象とした研修や制度は限定的であり、条例で規定している自治体は全国でも153団体しかないそうです。自治体に限らず、一部の企業や団体でも同様の構造的欠陥が見られるようです。これは、「トップが加害側に回る可能性が想定されていない」ことが構造的な問題と思われます。

<トップに研修を行わない理由>
 〇 制度設計の盲点
   労働法の「事業主責任」は職員に対する措置を義務付けるが、首長は対象外になりやすい
 〇 権力構造の特殊性
   首長は選挙で選ばれ、内部人事評価の枠外にあるため、研修義務が曖昧
 〇 「資質」への過信
   トップは選挙で選ばれた人物だから倫理観は備わっているはず、という誤った認識

<研修不実施が招くリスク>
 〇 言葉や態度の軽率な発信が、組織文化を壊す
 〇 「違法ではないが不適切」な行為が、市民からの信頼を失う
 〇 辞職すれば良いという極端な結末に直結する

<解決の方向性>
 〇 トップ層に、定期的なハラスメント研修を制度化することが不可欠
 〇 特に「言葉の影響力」「立場の非対称性」「説明責任の重さ」を理解させる研修が必要
 〇 職員向け研修と異なり、トップ特有のリスクに焦点を当てたプログラムが必要

<まとめと提言>
トップ層に対するハラスメント研修が行われていないことこそ、経営リスクです。トップ層こそが組織文化を方向づけ、社会からの信頼を左右します。にもかかわらず、現状では首長やトップ層への研修は制度的に漏れているケースが多いのです。トップ層への研修を制度化することこそ、組織の信頼を守る第一歩です。

弊社では、トップ層向けのハラスメント研修、コンプライアンス研修の講師も承っております。ホームページ上段のお問い合わせより、ご検討状況をお教えいただき、ご要望に沿う形でオリジナルな研修を作り上げ、実施させていただく所存です。

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