家電大手社が下請け業者(約50社)に支払う代金を不当に減額(約5億円)したとして、公正取引委員会は下請法違反(減額の禁止)を認定し、再発防止を求める勧告を出す方針を固めた旨、報道がありました。本日は、下請法違反について考えてみます。
一般的な下請法違反は、以下のパターンが多いそうです。
①コスト削減や競争力向上等理由をつけ、発注後に下請代金を一方的に減額。
②合意した金額から、納品後や検収後に、利益調整として値引き。
③仕様変更や軽微な瑕疵を理由に、発注者の都合で返品し、代金を減額。
④事前合意のない協力金を請求し、結果的に下請代金を減額。
⑤物価上昇や景気悪化を理由に、契約内容を変更せずに代金を減額。
違法行為の多くは、以下のような発注側企業の事情で起きます。
①社内で、コスト削減圧力が増す。
②以前もこうしてきたと理由を付け、違法性が薄く、商慣習と整理してしまう。
③発注者の強みと下請け企業が異議を唱えにくいことを悪用。
④コンプライアンス意識の欠如(法令違反の意識と知識がない)。
年度末に向けて、決算を理由に下請法違反(減額の禁止)に該当する事業活動をしないように、注意する必要があります。請求書を発信直後に締結した契約書と共に提出させて、モニタリングを行うことにより、けん制と予防策になります。実施件数は最大でも全体の3分の1以下とし、抽出する際には、減額を黙って受けそうな下請け業者を選定することで、より実効性が高まります。
聞いたところによると、公正取引委員会から電話が入った時には、違法はほぼ確定なのだそうです。下請法違反の有無についてモニタリングを行う旨、社内レターを発信するだけでもけん制になり、その際、どういう行為が法令違反なのかを記載してマネージャーに読ませることで、従業員教育にも繋がります。



コメント