防衛庁が、安全保障に関わる機密情報「特定秘密」について、違法な取り扱いをしていた事例が相次いでいた旨、報道がありました。本日は、ずさんな管理体制が招く組織の状態について、考えてみます。
海上では、資格がない隊員に特定秘密を扱わせるなど違法な運用が常態化し、陸上、航空、内部部局でも、違法な取り扱いをしていました。調査の過程において、部下に対するパワハラ、セクハラ、外部からの飲食接待なども明らかになってきました。
特定秘密の取り扱いについては、適正な評価を受けた隊員だけが、特定秘密にアクセスできるルールでしたが、護衛艦内で幹部の指示により常習的に扱っていました。自ら作ったルールが、護衛艦内で守れなかった理由を突き止めることが、解決の糸口になります。
調査の過程で色々とコンプライアンス違反行為が明らかになったのは、話を大きくしたように思われますが、こういう事態が起こり、内部統制や健全な組織が壊れた時こそ、全体を俯瞰して、課題を導き出して、改善活動、ルールの見直し、風土の作り直しなどの対策を検討していくことになるでしょう。
社会の指摘や批判を受けることになりますが、事件の全容解明と発生原因の分析、対応策の策定を優先せず、上層部の退任など外面を変えて批判を逃れようとすると、本質的な解決に至らないことがあります。今回は、特に注意が必要と思われます。
特定秘密の取り扱いだけであれば、特定秘密情報の範囲の見直し、護衛艦内など外部から遮断された場所における運用の見直し、幹部への新コンプライアンス研修の実施により、上層部から変えていくことで足りると思いますが、閉鎖的な組織や場所におけるコンプライアンス運営について、見直すことが、最善の解決策と感じる次第です。
<追伸>先月末からの父の入院に伴い、お客様にご迷惑をおかけしています。まだ入院が続いており、毎日お見舞いに行っています。お約束している日時は、できるだけ変更しないように運用するつもりですが、叶わないことがあることにつき、ご理解いただきたく存じます。



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