前兆に気づく力の大切さ

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昨日は、信頼失墜が増える可能性について触れました。本日は、その背景にある「前兆に気づく力」、つまりリスクを感知する能力について、考えてみたいと思います。

1.突然に起きるわけではない
信頼の失墜、不祥事、事故、トラブル——。これらは、ある日突然に起きるように見えますが、実際には必ず“前兆”があります。
 〇 空気の変化
 〇 小さな違和感
 〇 いつもと違う行動
 〇 説明の曖昧さ
しかし、多くの人は、その前兆を見逃してしまいます。理由は、忙しさや思い込み、そして「大したことではない」と判断してしまうからです。

2.なぜ前兆は見逃されるのか
前兆が見えにくいのは、次のような理由があります。
 〇 忙しさで気づかない
 〇 経験に頼りすぎてしまう
 〇 “問題扱い”されない小さな変化だから
 〇 組織の空気が、違和感を言いづらくする
特に、組織の中では「言わない方が楽」という空気があると、前兆を見えにくくします。

3.前兆の“種類”
前兆は曖昧でつかみにくいものですが、実は幾つかのパターンがあります。
 〇 行動の前兆:遅刻が増える、説明が曖昧になる
 〇 数字の前兆:売上の微減、ミスの増加
 〇 空気の前兆:相談が減る、沈黙が増える
 〇 仕組みの前兆:例外対応が増える、ルールが形骸化する
皆様の組織でも、思い当たる場面があるのではないでしょうか。

4.“違和感”こそ最大の前兆
前兆の中でも最も重要なのは、違和感です。違和感は、言語化されていない“初期のサイン”です。
 〇 何となく気になる
 〇 いつもと違う
 〇 説明が腑に落ちない
こうした違和感を放置すると、問題は必ず大きくなります。だからこそ、違和感を感じたら、曖昧なままに終わらせない。この姿勢が、リスクを感知する力の核心です。

5.前兆に気づける人・気づけない人の違い
前兆に気づける人には、共通点があります。
 〇 観察力がある
 〇 思い込みが少ない
 〇 忙しさに流されない
 〇 違和感を言語化しようとする
一方で、気づけない人は、以下のような傾向があります。
 〇 経験に頼りすぎる
 〇 「大丈夫だろう」と思い込む
 〇 空気を読みすぎて、声を上げない

6.組織として“前兆に気づく力”を高めるには
個人だけでなく、組織としても前兆に気づく力を高める必要があります。
 〇 小さな声を拾う仕組み
 〇 相談しやすい空気
 〇 例外対応の記録
 〇 定期的な振り返り
 〇 初動対応の明確化
こうした取組みが、組織のリスク耐性を高めます。例えば、定例のレポートや、定例のミーティングの際、「何となく気になる、いつもと違う、説明が腑に落ちない」などの事象があれば、聞かせてもらうなどの習慣があると、違和感を誰かと共有できる場ができることから、違和感や気づきを発信する仕組みができます。但し、その場で否定したり、根拠なく調査指示を出したりすると、受ける側は嫌な思いをして、二度と伝えなくなることに注意が必要です。

7.私たちが今日からできること
前兆に気づく力は、特別な能力ではありません。日々の習慣で磨くことができます。
 〇 違和感をメモする
 〇 小さな変化に敏感になる
 〇 「なぜ?」と一度立ち止まる
 〇 周囲と情報を共有する
こうした小さな積み重ねが、リスクを感知する力を育てます。

<おわりに>
前兆に気づく力は、誰にでも身につけられる“習慣”です。そして、この力があるかどうかで、信頼を守れるかどうかが大きく変わります。年の初めに、「違和感を曖昧にしない姿勢」を意識してみることは、2026年をより良く過ごすための大切な視点になると感じています。

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