前回のブログでは、お客様の声とカスタマー・ハラスメントが連続性を持つ場合について考察し、二つの対応マニュアルが必要ではあるものの、マニュアル相互間には統合型・成長循環型が求められる姿に近いと、ご説明しました。そこで、本日は、具体的な統合型・成長循環型対応マニュアルの作成例について、ご説明します。スペースが限られている為、要点のみのご説明になりますが、ご容赦ください。
マニュアル名:お客様の声・ハラスメント対応マニュアル(統合型・成長循環型)
第1章:お客様の声・ハラスメント対応方針(社内ルール)
当社は、すべてのお客様の声(苦情・ご意見・ご要望・お褒め・感謝)を、業務改善と信頼構築の貴重な資産と捉えます。 また、顧客対応において従業員が不当な言動・要求等により精神的・身体的苦痛を受けることのないよう、カスタマー・ハラスメントへの対応方針を明確にし、従業員の安全と尊厳を守ることを最優先とします。
第2章:お客様の声対応マニュアル
2-1. 声の分類と対応方針
| 区分 | 内容 | 基本対応 |
|---|---|---|
| 苦情 | 不満・不信・不備の指摘 | 誠実・迅速・公平に対応し、記録・報告を徹底 |
| ご意見・ご要望 | 改善提案・制度への意見 | 担当部署で検討し、必要に応じて保険会社へ提案 |
| お褒め・感謝 | 対応への称賛・感謝の言葉 | 社内で共有し、従業員の励みに活用 |
2-2. 対応の流れ
〇 受付(電話・来店・文書・メール)
〇 初期対応(傾聴・共感・事実確認)
〇 記録(日時・内容・対応者・対応内容)
〇 報告(上司・責任者)
〇 必要に応じて保険会社と連携
〇 対応完了後の振り返りと共有
第3章:ハラスメント対応マニュアル
3-1. ハラスメントの定義
顧客からの社会通念上相当と認められない言動・要求・態度等により、従業員が精神的・身体的苦痛を感じる行為を指します。
3-2. 対応の流れ
〇 従業員が「ハラスメントかもしれない」と感じた時点で、対応を中断し、上司または責任者に報告
〇 上司が状況確認し、対応方針を決定(交代・終了・複数名対応など)
〇 必要に応じて保険会社・警察・弁護士等と連携
〇 対応内容を記録し、再発防止の材料とする
第4章:問題解決フロー(共通)
〇 対応完了後、関係者間で事実確認と対応評価
〇 必要に応じて顧客への説明・謝罪・報告
〇 保険会社との協議内容を記録・共有
〇 再発防止・改善の方向性を整理
第5章:お客様の声とハラスメントの“次への活動”に向けて
〇 苦情・ハラスメント対応の再発防止策を検討
〇 ご意見・ご要望は社内で検討し、必要に応じて保険会社へ提案
〇 お褒め・感謝の声は社内で共有し、従業員のモチベーション向上に活用
〇 事例をもとに、業務改善・教育・仕組みの見直しへ繋げる
このマニュアルでは、ハラスメント対応マニュアルと表記していますが、主に外部から受けるハラスメント、特にカスタマー・ハラスメントについて記載しています。お客様から受けるセクシャルハラスメントは、カスタマー・ハラスメントの一類型であると考えると、腹落ちしていただけると存じます。
社内から受けるハラスメントは、同じハラスメントであっても、ハラスメントの質や対象者との関係が異なることから、別のマニュアルにすべきと考えています。なお、本マニュアルと同じ趣旨のマニュアルを作成する際には、できるだけ図やポンチ絵を入れると、実際に使う際に、目で確認できることが可能となり、使い勝手が良くなると思います。本日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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