業務品質の統一は「仕組み」だけでは定着しません。フロー、チェックリスト、ロープレといった仕組みを支える“土台”が必要で、その土台となるのが、心理的安全性です。心理的安全性をつくる中心にいるのが、管理職です。 経営者は、全従業員に直接関わることはできません。だからこそ、業務品質統一の成否は、管理職の日常の振る舞いに大きく左右されます。本日は、心理的安全性を高める管理職の具体的な行動例を整理してみます。
1.「安心して声を出せる場」をつくる
心理的安全性とは、「この組織では、間違いや質問をしても攻撃されない」という安心感のことです。代理店さんに置き換えると、次のような状態を指します。
〇 ロープレで失敗しても、評価が下がらない
〇 わからないことを素直に聞ける
〇 例外対応を共有できる
〇 ベテランも新人も意見を言える
この“声を出しやすい状態”をつくるのが、管理職の役割です。
2.心理的安全性を高める管理職の行動例
① 失敗を歓迎する姿勢を示す
ロープレは「失敗を前提とした学習」です。 しかし、管理職が失敗を責めると、ロープレは一気に形骸化します。管理職が取るべき行動は次のとおりです。
〇 ロープレでのミスを責めない
〇 「失敗は改善の材料」と明確に伝える
〇 自分自身の失敗も共有する
管理職が“失敗を歓迎する姿勢”を示すことで、現場は安心して学べるようになります。
② 指摘ではなく“質問”で導く
心理的安全性が低い組織では、管理職が「ダメ出し」をしがちです。 しかし、ダメ出しは改善ではなく“萎縮”を生みます。改善を促す管理職は、次のように“質問”で導きます。
〇 「なぜこの順番にしたのか」
〇 「どうすればもっと良くなると思うか」
〇 「お客さまの立場ならどう感じるか」
質問によって、募集人自身が考え、改善点を見つけるようになります。
③ ベテランの知識を“役割”として活かす
業務品質統一の取組みで最も難しいのは、ベテランの巻き込みです。ベテランが従わない背景には、「プライド」ではなく「不安」があります。管理職は次のようにベテランを活かします。
〇 ベテランを“例外”にしない
〇 ベテランにロープレのサポート役を任せる
〇 暗黙知を形式知化する役割を与える
ベテランが「役割」を持つことで、協力的になり、組織全体の心理的安全性も高まります。
④ 月次の振返りを“学びの場”にする
振り返りが“責める場”になると、誰も本音を言わなくなります。管理職がつくるべき場は、次のような“学びの場”です。
〇 例外対応を共有する
〇 改善点を全員で出し合う
〇 成果を必ず称賛する
〇 ミスを早期に共有する
「責める場」ではなく「学ぶ場」にすることで、業務品質の統一は加速します。
⑤ “目的”を繰り返し伝える
業務品質の統一は、現場から見ると「縛り」に見えることがあります。それゆえ、管理職が目的を繰り返し伝えることが重要です。
〇 迷いをなくすため
〇 お客様とのトラブルを防ぐため
〇 説明漏れをなくすため
〇 新人教育を楽にするため
〇 組織を強くするため
目的が腹落ちすると、現場は自然と協力します。
3.心理的安全性が高い組織で起きる変化
心理的安全性が高い代理店では、次のような変化が起きます。
〇 ロープレが活発になる
〇 ベテランが協力する
〇 ミスが早期に発見される
〇 例外対応が共有される
〇 業務品質の統一が“文化”として根づく
業務品質の統一は、心理的安全性がある組織ほど早く定着します。
<まとめ>
業務品質の統一は、「仕組み × 心理的安全性」の両方が揃って初めて機能します。心理的安全性は、管理職の日常の振る舞いでつくられます。
〇 失敗を歓迎する
〇 質問で導く
〇 ベテランを活かす
〇 振り返りを学びの場にする
〇 目的を繰り返し伝える
管理職が変われば、組織は必ず変わります。業務品質の統一は、代理店の“競争力”そのものです。まずは、管理職に対して、業務品質の統一の目的と背景を説明するところから、始めてみましょう。



コメント