2026年度計画の策定ポイント

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4月から2026年度が始まります。各保険会社は手数料体系を開示し、代理店に「目指す姿」を示し始めています。さらに今年度からは、業務品質評価制度が本格的にスタートし、代理店は“評価される立場”になります。従来の延長線上で年度計画を作るだけでは、もはや不十分と評価される可能性が高いです。2026年度は、代理店がお客様と保険会社から選ばれ、「経営品質」を問われる年になります。

1.評価項目の正しい理解
業務品質評価制度の評価項目について、リマインドします。
 【基本4項目】顧客対応、アフターフォロー、個人情報保護、ガバナンス
これに加えて、次の項目が評価対象となります。
 【追加項目】便宜供与の適正化、利益相反管理
さらに、代理店として特に注意すべき重点項目があります。
 【重点項目】誠実公正義務、比較推奨販売義務、独占禁止法の遵守
これらは単なる“評価項目”ではなく、代理店が整えるべき経営の土台です。

2.制度を年度計画に盛り込むための3ステップ
業務品質評価制度を「評価されるだけ」で終わらせるのではなく、自社の成長につなげるための3ステップが必要です。
① 自己点検シートで“実態を把握する”
生保協会・損保協会が提供する自己点検シートは、制度対応の“入口”であり、最も重要なツールです。
 〇 曖昧な自己評価をしない
 〇 書面・記録・証跡の有無を必ず確認
 〇 「できているつもり」を排除する
 〇 実態を正確に把握することが改善の前提
実態把握が甘い代理店は、改善計画が必ず形骸化します。
② 実態から“課題を抽出する”
自己点検を行うと、必ず課題が浮かび上がります。顧客対応の属人化、アフターフォローのバラつき、個人情報管理の弱点、ガバナンスの不備(判断基準・決裁ルートの曖昧さ)、便宜供与・利益相反のリスク、誠実公正義務・比較推奨販売義務の理解不足、独禁法の誤解や無自覚な違反リスクなどです。
課題は“探す”ものではなく、実態を見れば自然に浮き上がってくるものです。課題が見つからないのは、自己点検の手法や判定基準に誤りがあるか、もしくは判断が甘くなっているに過ぎません。
③ 課題を“改善計画”に落とし込み、運用する
改善計画は「やることリスト」ではなく、“仕組み”として設計することが重要です。
 〇 苦情・事故の分析と改善サイクル
 〇 研修・教育の体系化
 〇 手順書・チェックリストの整備
 〇 月次の振り返りと記録
 〇 経営者が“旗を立てる”こと
業務品質評価制度は、代理店が整えるべき仕組みを示す“羅針盤”です。

3.2026年度の年度計画に盛り込むべき重点ポイント
① 顧客対応の標準化と品質向上
 〇 誠実公正義務の徹底
 〇 説明プロセスの統一
 〇 比較推奨販売のルール化
② アフターフォローの仕組み化
 〇 顧客接点の見える化
 〇 定期点検のルール
 〇 記録の残し方
③ 個人情報保護の強化
 〇 委託先管理の強化
 〇 取り扱いルールの再確認
 〇 物理的・技術的管理の見直し
④ ガバナンスの強化
 〇 経営者の関与の可視化
 〇 判断基準の明文化
 〇 決裁ルートの整理
⑤ 便宜供与・利益相反の管理
 〇 記録と報告の仕組み
 〇 接待・贈答のルール
 〇 利益相反の判断基準
⑥ 独禁法の遵守
 〇 無自覚な違反リスクの排除
 〇 価格拘束・排他行為の理解

<まとめ>
2026年度は、代理店の“経営品質”が問われる年になります。手数料体系の開示、業務品質評価制度の開始、顧客企業の高度化の3つが重なることで、代理店は「どんな姿を目指すのか」を明確にする必要があります。年度計画は、単なる目標設定ではなく、代理店の未来をデザインする作業です。自己点検 → 課題抽出 → 改善計画 → 運用 このサイクルを回せる代理店が、“選ばれる存在”になります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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