衝突実験の不正

crime scene do not cross signage

自動車メーカーが、ドアの内部に加工を行って、側面衝突試験の結果を調整し、型式を取得していました事実を公表しました。衝突試験の際、法規に定められた側面衝突試験の手順や方法に従わなかったそうです。本日は、法規に従わなくとも構わないと考える品質不正について、お話します。

今回は、製造に関わる作業過程でなく、型式認証を取得する際に起きた不正です。クルマの型式を取得する業務は、何度も繰り返して社内試験を行い、責任者に見せて承認を得ます。型式と異なる手順や方法に従わずに、衝突試験の手順や方法が正しいか否かは、現場にいないと分からないですから、責任者も騙されてしまったかも知れません。

原因は、衝突試験の際、法規に定められた側面衝突試験の手順や方法に従わなくとも、安全性に問題がなければ、構わないと判断したことに尽きると思います。商品の安全性という品質の定義に、誤解があったことになります。この企業は、商品の安全性と衝突実験に対する信頼の両方を失いました。

再発防止策は、品質の定義づけを再整理したうえで、従業員に考え方を浸透させる教育が必要です。加えて、衝突試験の際、法規に定められた手順や方法に従っているかを確認できる第三者の配置が必要です。第三者とは、試験を受ける部署と異なる部署で、製造過程や性能に詳しい監査ができる部署です。会社が行う衝突実験の結果を信用して国を騙したのですから、国に対しての再発防止策も必要です。

今回の公表内容を拝見して、唯一救われるのは、発覚の端緒が内部通報だったことです。企業の規模が大きくなればなるほど、内部通報がしやすい環境を強化する必要があります。巨大企業では、何かあると直ぐにタレこむくらいの風土がなければ、「この程度は構わない」と言う思想は排除できません。

「その行為は、自分の子供に説明できますか」が、社会規範に反するか否かの境界線と言われます。不正を行いにくい仕組み作りと共に、社会規範の醸成をコンプライアンス教育に加えなければならない程、難しい時代になったと、認識しておきましょう。

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