学生のサクラ

就職情報サイトを運営する2社において、オンライン就活セミナーの質疑応答で、学生を装って社員が質問する行為をしていたことが、報道されました。本日は、「サクラ行為」について、考えてみます。

この問題で、気になった点が、二つあります。一つは、「なぜ、2社同時に報道されたのか」です。マスコミには、1社を報道する前に競合企業に確認する余裕があるとは思えません。報道されると知った企業が、他社情報をリークしたのであれば、とんでもない話です。

もう一つは、理由を問われた際、「学生への理解促進を意図としていたと説明した」ことです。同社が「盛り上がれば、多少は良いじゃないいか」という考え方していることを公表したと等しいです。当事者がそう答えたとしても、もう少し原因を掘り下げた回答をすべきでした。

うち1社では、社員はこの行為を「サクラ」と呼び、上司が指示するケースもあったそうです。これに対し「不適切であり、大学や学生に不誠実だった」と回答しましたが、本来は「上司のコンプライアンス感覚が欠けており、従業員も同じ感覚だった」と認め、大学と学生さんに対し、不適切行為を謝罪すべきだったと思います。コンプラマインドが欠けています。

コンプライアンス担当部署は、こうした問題が起こった直後から、広報担当部署を打合せを行い、公表するコメントには、事前に目を通して、社会常識として、適切か否かを確認する必要があります。

学生を集めた就活セミナーに、従業員が紛れ込んで、質疑応答に参加する行為が、善悪どちらと判定されるかをテストで出題すれば、全員が「悪」と回答するでしょう。その判断が、業務に従事中に変わらないような職場環境を作り出すことこそ、コンプライアンス担当部署が考えるべき課題です。

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