J-PoPの人気歌手兼作曲家が、自身のラジオ番組で話した内容について、聞き手の失望を買ってしまい、今までのイメージが崩れてしまう事象が起こりました。本日は、この事象を通じて、企業イメージについて、考えてみます。
40年間に亘り第一線で活躍し、最近は、音楽の魅力に加えて、含蓄ある言動も人気がありました。パーソナリティを務めるラジオで、性加害行為問題についてコメントする予定だったので、何を語るのか、ファンの期待も高まっていました。
しかし、職業倫理や規範意識以前の問題である明確な人権侵害に対して、意味のある発言をすることができませんでした。それだけでなく、聴き手を切り捨てることもやぶさかではないとまで言ってしまいました。
歌では、希望を語って人々を勇気づけ、コロナ禍で世間が騒がしくなった時は「寛容になりましょう」と諭していたイメージとは程遠く、また、相手へのリスペクトや、被害者に寄り添うコメントもありませんでした。
芸能人のイメージは、企業イメージと同じです。誠実で含蓄ある発言を積み重ねて、世間の評価を得ても、正反対の発言や行動を起こすことで、評価は変わり、印象は上書きされてしまいます。
それだけに、SNS、記者会見、コメント、公共の場での発言など、情報発信を行う際は、必ず良識ある第三者にその内容を確認してもらい、コンプライアンスチェックを受けるくらいの慎重さが必要です。業界の第一人者のような、誰もが意見に従う強い立場にある人なら、なおさらです。特に、熱い意見を述べる場合には、誰に配慮したら良いか、弱者は誰なのか、聞き手の反応はどうかなど、一定の事前リサーチをしつつ、進めるべきと思われます。
今回のような失言を教訓として、自らを律すると共に、発言の背景を含めたロジックが適切に合致しているかを見極めておくべきだと痛感した次第です。近いうちに当該歌手のライブに行く予定なので、それまでに、少しは今回の事象に対する対策が講じられていることを期待します。



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