火災保険の補償

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近年は、自然災害が増えてきました。特に、線状降水帯に伴う豪雨による河川の氾濫や土砂崩れ、台風など気圧の変化に伴う突風、豪雨による災害が増えました。本日は、災害からの復旧や生活再建に役立つ火災保険の名称について、考えてみます。

火災保険は、建物や家財、什器備品や商品などの財産に対して被害が生じた時に、予め設定している保険金額を上限にして、約款に基づき補償を受ける商品です。火災で家や家財が燃えた、台風で屋根壊れたり窓ガラスが割れて家財が壊れた、大雨で家が浸水した、家財が水浸しになった等の事象の時に保険金を受け取るものです。

令和5年の火災保険件数は、約3万8千件です。10年前は4万8千件だったので、2割近く減っていますが、直前の2年では増加の傾向にあります。一方で、令和5年の豪雨被害を受けた住家件数は2万5千件もあり、年々増加傾向にあります。

今後、気候変動に伴う災害が増えると考えると、火災保険は、火災・風水災保険と呼称した方が、補償の実態に合うようになると思われます。損害保険会社の中には、火災保険に水害を担保しない商品を基本補償としているようですが、災害発生件数を考慮すると、風災と水害を担保することを基本補償とする方が、最近の常識になるのではないかと考えます。

マンションの2階以上には水害による被害は生じにくいかも知れませんが、上階には風災による被害が生じやすくなります。お客様が自分の意思で、担保範囲を縮小することを可能にして、意向を把握して確認する仕組みにすれば、理に適うと思います。

同じことが死亡保険にも言えます。旧来は、世帯主の突然の死亡による補償が中心であったことから、死亡保険という呼称に合っていました。昨今は、世帯主の突然の死亡による補償は、収入保障保険でカバーするようになり、死亡保険は葬儀費用や財産相続税対策費用などの用途に使われることが増えています。

上記のように、社会の変化に伴い、名称や呼称が商品やサービスと合わなくなっていることは、自社の常識が社会の非常識になる警報サインです。自社の常識が社会に合わなくなっているかを把握するには、自社商品の呼称や主な用途を再確認することから始めては、いかがでしょうか。

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