テレビ局のモラル

man eating chips while watching tv

貸金庫内に金品を窃盗する事件、自動車メーカーの経営統合など、最近、経営トップの自宅前でテレビカメラを回して取材するテレビ局がありました。本日は、テレビ局のモラルについて、考えてみます。

以前に、大谷選手の自宅内外を放映して、本人と家族が命の危険を感じる事件が起きました。高額の自宅を購入しながら、全世界に放映されたため、住めなくなりました。これに対しては、かなり多くのバッシングが浴びせられました。

今回の経営トップの自宅前でテレビカメラを回して取材するのと、何が違うのでしょうか。アメリカがダメで国内なら構わないというモラルでしょうか。他社に先駆けて取材して特ダネをリリースしたいという考え方は理解しますが、モラルを超えて取材してまで、特ダネを取りたいという考え方には違和感を感じます。

特にテレビ局は、画像が流れることから、場所の特定が可能です。経営トップの自宅の場所が社会に知れた場合、新たなリスクが生じることが理解できていないと思います。テレビ局の経営トップの自宅は公開されていて、テレビ局では局内でもプライベート情報は社内外に共有されているはずが、ありません。

このモラルの違いを治すには、社外からの意見が大切です。社会からのバッシングで気づいて見直すというのであれば、事件や事案の再発防止策です。現代の大企業に求められているのは、そういう再発防止策ではなく、自浄作用でモラルに合わせて商習慣や慣例を是正していく力なのだと思います。

昨今のコンプライアンス研修では、こうした商習慣や慣例が社会から見た時に、どう見えているのかなど、具体的な事例を挙げてご説明しています。次年度のコンプライアンス研修を企画する部署には、事前に商習慣や慣例をある程度調べて、受講者同士で意見交換してもらって、モラルレベルを高める工夫が必要だと思います。

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