党首による不祥事

desperate evicted male entrepreneur standing near window

政党トップによる不倫記事報道がありました。企業なら、代表取締役やCEOによる不倫報道です。不倫は法令違反ではありませんが、配偶者と家族の信頼を失う行為ですから、いわんや国家や国民を裏切る人だとみなされる可能性が高く危険な事件です。本日は、党首による不祥事について、考えてみます。

当該政党は衆議院選挙において、手取りを増やすを政策を掲げて国民の支持を増やし、議席数も改選前の4倍になりました。基礎控除の103万円の壁を見直して、178万円にすることを主張し、低所得者のみならず高所得者に至るまで、手取り額を増やして、7兆円もの税金を削減する大政策です。

しかし、不倫報道に伴い、政策実現の効果より、党首の不祥事と政党への不信感の方が大きくなりました。党首は謝罪会見を行い、党内の意見を聞いたうえで対応を決定すると述べました。党内会議の結果、党首を継続し、首相指名選挙においても党首に投票することを決定し、実行しました。一国の総理を決める投票に、女房や家族すら裏切る人の名前を記載した国会議員の見識を疑いたくなります。

政党とは、共通の政治的目的を持つ者によって組織される政治団体です。組織の長である党首に不祥事が発覚した場合、通常であれば党首を解任し、組織の統括責任者と政策責任者が代行して活動を継続するのが、社会と組織の常識です。当該政党であれば、幹事長と国会対策委員長が代行すべきです。

この対応につき、違和感を覚えました。投票した有権者と一般国民の多くは、違和感を感じたと思われます。まず、不祥事が発覚した以上、組織のトップを辞任した上で、国会議員として相応しいかを政党として考えるプロセスがなかったことです。社会の常識では、党首辞任、党からの辞職勧告ではないでしょうか。

次に、政党による代行者の不在、もしくは無能です。政策実現に向けて、代わりに立ち上がる御仁がいなかった、あるいは、そもそも党首個人の政党とみなされる恐れがあり、危険です。

更に危険なのは、不祥事を起こした本人が政策協議を継続することで、178万円への見直しのはずが、与党協議の中で、中途半端な金額に「減額されてしまう」ことです。政策が個人の不祥事により左右されるなど、言語道断です。仮に減額されれば、当該政党は国民の利益を阻害した要因を作ったとみなされる恐れがあります。

この事件を通して、企業経営者は、不倫などの個人的な問題が自身に生じた時、事業活動の継続と、社会の常識に沿った対応について、常に考えておくべきです。事業活動の継続は、BCP(ビジネス・コンテンジェンシー・プラン)に定義しておくことで足ります。社会の常識に反していないかを教えてくれる、支援してくれる人の存在も不可欠です。本件を通じて、考える機会を持ちましょう。

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