昨今発生した不祥事には、同じような危険な兆候があります。本日は、企業における危険な兆候について、考えてみます。
職位上位者の意見が絶対的になっていると、グループ論議して上位者へ提出しても、上位者に否決される傾向があります。論議を深めても、上位者に否決されるので、グループ論議を深めなくなり、事前に上位者の意見を聞いて、その内容通りに提出するようになります。否決する場合、上位者は論議したメンバーに対して、理由を説明して納得を得ることで、グループ論議の権威を保つことで回避できます。
管理職が経費を雑に使っていると、その組織は同じように雑になる傾向があります。経費の使い方を逸脱していても、上位者へ指摘する文化や風土がなければ、それが正義となってしまい、組織に伝染します。言うまでもありませんが、一定以上の管理職だけが雑な使い方をしている企業も要注意です。
上位者が下位者を呼び捨てにしたり、あだ名や「ちゃん付け」で呼ぶと、ハラスメントが起きやすい、メンバーを大切にしないなどの風土が醸成されやすいようです。叱る時や諭す時には、呼び捨てが良いと言う方がいます。論理構成があり、相手を共感させる説明力を習得し、相手が聞く気になる状況で説明しましょう。
これ以外にも、会議が時間通りに進行しないことが常態化している、メールの返信を口頭で求める傾向がある、目的が説明されず、ゴールも明確でない指示を行うなど、不祥事が起こる企業には、危険な兆候は、多数あります。
年度末には、トップや管理職は、自身と社内風土や習慣を見直す機会があります。自社ホームページに掲載している経営理念や企業理念を読み返して、反する言動や習慣がないか、形骸化していないかという観点で考えてください。また、これをテーマにして役員会などの場で論議すると、一体感が出て、改善という風土を醸成していきます。



コメント