自爆営業はパワハラ

finger pointing at the word power with flowers

厚生労働省は、労働施策総合推進法(パワハラ防止法)に基づく指針に、自爆営業はパワハラに該当すると明記することで企業に対策を促し、新たな指針に盛り込む旨、報道がありました。本日は、自爆営業防止する対策について、考えてみます。

自爆営業は、企業側がノルマを達成できない従業員に自腹で契約を結ばせたり、不要な商品の購入を強要したりする行為を指します。従業員本人のみならず、家族、親族、他人名義で契約したり、購入することもあります。

パワハラは、①優越的な関係を背景とした言動、②業務上必要かつ相当な範囲を超える、③労働者の就業環境を害する、の3要素を満たせば認定されます。自爆営業については、上司らに不要な商品の購入を繰り返し要求される等の実態を踏まえ、個別にパワハラと認められたケースはありましたが、直接規制する法律はありません。

厚労省は、新たに指針に盛り込むことで、企業側に対策を求めたいと考えています。記載内容は、労働政策審議会の議論を踏まえて決めるそうです。要すれば、法律の指針に具体的に記載することで、企業側にパワハラ抑止策を求めるということです。

企業側が、パワハラ抑止策を検討するにあたり、自爆営業などの事象を定義して把握する仕組みを作ることが必要ですが、これが難しいです。例えば自爆営業の対価が、上司からの叱責や成績不振を逃れる為であれば、その定義や把握は、デジタルには計れないからです。

連続して成績不振の従業員をデジタルに把握することはできそうですが、その使途は人材育成や人事異動になることが多く、パワハラを抑制する環境とは直接的に繋がらないのではないでしょうか。

そこで、マネジメント研修において、成績不振の従業員の管理・育成の新たな手法を提示して習得させることが検討できます。マネージャーの中には、自らが育ってきた環境を肯定し、新たな手法を受け入れない人もいます。それゆえ研修では、従業員の管理・育成のスタイルを変革する必要がある理由と背景、変革する目的、新たな手法を使ったゴールイメージなどを理解させる必要があります。

その為には、一度の研修で終わらせず、定期的に理解度を確認して、マネージャー自身にも管理・育成の進捗状況がフィードバックされて考えさせられる環境にしていくことが望ましいと思われます。要すれば、法令違反のレベルを超えて、社会常識や一般常識のレベルで理解させることではないでしょうか。

コメント