第三者委員会の報告

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元タレントによるテレビ局従業員へのハラスメント行為につき、第三者委員会の報告会が行われ、当該テレビ局による中継放送がありました。本日は、当該企業を取り巻く環境と社内文化について、考えてみます。

報告では、大きく4つの事象を明らかにしました。
1.元タレントによるハラスメント行為は、業務の延長上にある性暴力と認めた。
2.上記対応に際し、会社は元タレントを擁護し、被害者へ見舞金を届けた。
3.新たに、キャスターによる部下へのハラスメント行為を認めた。
4.出演者との懇親会に、アナウンサー呼び、置き去りにする行為があった。

報告から読み取れる当該企業を取り巻く環境は、容姿の優れたアナウンサーを番組出演者との関係強化に利活用していた実態や、上司による部下へのハラスメントがあったようです。思い起こすと、タレントのSNSに、テレビ局アナウンサーが参加した懇親会の写真記事や、番組の打上げが深夜まで続いたという週刊誌報道を目にした記憶があります。

報道局の番組編成職の人達は、人気タレントには弱く、タレントの要請に応える商慣習があったと推測できます。一方、アナウンサーは番組編成職の人達から要請を受けると、断れない職場環境にあったと推測できます。また、報道局出身の社長以下役員が多かったことも、上記職場環境が社内文化となる要素となったと考えます。

また、会社は、アナウンサー職に対するハラスメントリスクを社内リスクと認識しておらず、報道局に対する監査において、番組制作に関わる費用支出の実態や、出演タレントや制作会社との関係、アナウンサーの労働実態の把握など、社内監査の事項が十分に網羅されていなかったものと推察できます。

更に、社内コンプライアンス担当部署の役割が、社長以下役員や各事業部管理職に対して理解されておらず、その結果、どの事象もコンプライアンス担当部署への報告がなかったことから、コンプライアンス態勢の整備が不十分と認めざるを得ません。

社内のパワーバランスが誤った行為を助長し、思い込みと自信過剰が、異常値への感応度を低くしてしまい、たとえ従業員から通報や意見があっても、社内ルールよりも自身の考えを優先するという誤った商習慣があったのではないかと考えます。

以前に受講したコンプライアンス研修において、経営者と経営幹部が持つべきは、不祥事を起こしてはならない、起こさないようにするにはどうすべきかを50%意識し、不祥事は自社でも起こる、不祥事が起こったらどうすべきかを50%意識すべきである。不祥事を完全に防ぐことはできないが、努力次第で二次災害は100%防ぐことが可能である旨、教えを受けたことを思い出しました。

当該企業は、ホールディング会社を親会社とするグループ企業です。テレビ局会社の不採算が続くと、ステークホルダーから事業再編を求められ、テレビ局会社の事業将来性を再検討するところまで、追い詰められる可能性もあります。改善取組みが、良い方向へ進むことを祈ります。

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