最近、数社の保険代理店さんより、FD宣言を策定して開示したい。策定にあたり、注意すべき点につき、支援して欲しい旨のご要望がありました。本日は、FD宣言を策定するにあたり、注意しておきたいポイントについて、考えてみます。
FD宣言とは「顧客本位の業務運営」を実践するために、金融庁が推奨している方針の一環として、保険代理店が自社の取組みや姿勢を明文化したものです。FDは、フィデューシャリー・デューティーの略で、直訳すると受託者責任です。
FD宣言を策定して開示する目的は、以下のとおりです。
① 顧客本位の業務運営の推進
② 金融庁の「顧客本位の業務運営に関する原則」への対応
③ 顧客との信頼関係構築
④ 保険会社が定める代理店手数料ポイント項目の獲得
策定して開示することで、②と④は満たしますが、肝心の①と③は充足しません。実態は、④が発端となった模様です。その割には、目的や背景、策定に必要な項目の説明、注意すべきポイントなどにつき、保険会社からご指導はないそうです。
FD宣言を開示する対象は、以下のとおりです。
① 顧客、取引先、株主、自社役員・従業員
② 取引保険会社
③ 所管する財務局、金融庁
発端となったのが保険会社なので、実態としては②でしょうか。正しくは①であり、③は所管する監督官庁が必要とする場合のみと考えます。
上記を理解したうえで、作成にあたり手順について、ご説明します。
まず、金融庁が公表している「顧客本位の業務運営に関する原則(改訂版)」を確認して、その内容と項目について、理解して下さい。必ずしも全てを採択する必要はありませんが、どの原則を採択し、それをどう実行するかを明記する必要があります。
次に、自社の業務内容と強みを箇条書きにして、整理して下さい。具体的には、以下の項目でしょうか。
① 取扱いしている保険の種類(生損保、来店型/訪問型 など)
② 対象としている顧客(個人/法人、一定のマーケット・商品など)
③ 自社が特徴とするサービス(ライフプランニング、フォロー、事故対応力など)
④ 自社の企業理念、行動指針
第三に、宣言の骨子を作成してみて下さい。骨子ですから、できるだけ短い文章で、形容詞やあいまいな表現を削除しながら作成して下さい。
① 自社の企業理念(経営理念)とその解説
② 自社が実施している具体的な取組み
③ ②の結果や成果の測定指標と、事業活動の改善、見直しの取組み
上記はPDCAサイクルに当てはめると、①と②はPとDに、③がCとAに該当します。
出来上がった骨子の各項目が、それぞれ「顧客本位の業務運営に関する原則(改訂版)」のどの原則にあたるか、考えて下さい。一つの骨子項目が、複数の原則にあたるケースもあると思います。
最後に、出来上がった骨子をもとに、FD宣言として記載する順番を決めて下さい。そのうえで、自社内の経営層・社内関係者で確認してもらって下さい。必要であれば保険会社の営業担当にも確認してもらって下さい。
開示は、自社ホームページ、店頭での掲示、パンフレットへの記載、顧客に配布する資料への同封などが可能です。開示場所を決めて下さい。最低でも1年に一度は見直しを行い、実績評価を元に改善点を検討して実施下さい。測定指標と改善活動を簡単に追記すれば、自社の記録にもなります。
簡単にご説明しましたが、ご理解いただけたでしょうか。



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