オリンピックを巡る汚職事件にて、オリンピック委員会、広告大手社、再委託を受けた広告会社は、スポンサー契約決定経緯の記録を開示していません。各社は捜査に協力すると公表しているので、記録がないと考えるのが自然です。本日は、記録が果たす役割について、考えてみます。
記録が果たす役割は、運営の備忘録に加え、後日振り返りを行うにあたり、説明できるように残しておくことです。詳細な内容を記録するより、プロセスと結論があることが重要です。具体的にはテーマ、主な論議事項、決定事項、共有事項、課題認識、ペンディング、今後の進め方などです。
会議資料に使用した研修資料を添付しても、プロセスや結論が伝わらず、後日振り返りを行う際に必要な要素が含まれていません。会議や研修の記録に関して定めがないならば、過大な記録を求めずに、あらかじめ必要最低限のラインを決めておくことで、記録を均一化することができます。
これは、新しいルールを作ることが目的ではなく、記録に関する目安を示しておくという趣旨です。ルールにすると、逸脱した場合に管理責任を論じることになりますが、目安として提示すれば、申請書、稟議書、企画書、取締役会の議事録などの運用にも応用できます。
冒頭の汚職事件において、記録がないとすれば、幾つかの理由が考えられます。①そもそも記録する文化・風土がない。②記録を提出できず隠ぺいしている。③一定の人物が決めるものと関係者一同に共通認識があるので、決定プロセスが存在しない。
今回③のケースであれば、組織委員会委員一人が、スポンサー契約企業を決めていたことになります。結果として、組織や企業の弱点をさらけ出してしまうことになります。そうならないように、整理しておきましょう。オリンピックを私物化し、ブランド価値を落とした責任は大きいと思います。
テーマと直接関係はありませんが、冒頭に出てきた大手広告社は、アベノマスクなどの国策や、外交活動も担っている政府系業務の最重要受注先です。過去を含め数々の事件に名を連ねていることから、一定期間は委託の削減または停止して、社内や関係先を浄化させる必要があると思います。



コメント