ジェネリック医薬品大手社において、胃炎・胃潰瘍向け医薬品で不正な品質試験を行っていた旨、報道がありました。ここ数年に亘り、ジェネリック医薬品を製造販売する企業における不祥事が続いていただけに、業界としての信頼を疑われる事件でした。本日は、品質不正について、考えてみます。
今回の不祥事は、実際の医薬品とは異なるカプセル使い、胃腸薬の品質試験を行っていました。人体に入るものだけに、実際に入るものを使わずに品質管理をしていたことは、重大な問題です。これを受けて大臣は、大変遺憾であり、一層の監視体制の強化を行うと発言しています。
この問題を考えるにあたり、該社のコメントを引用します。「(違うカプセルに)詰め替えをして試験してもよいという間違った認識が広がってしまっていた」「カプセルが溶けないため薬効が期待できないものの、今回の問題で健康被害の報告はないし、起こる可能性は非常に低い」
品質試験において、内容成分の品質のみ試験を行い、カプセル容器の品質は確認しなくとも構わないというのが、当該工場における商慣習であるとすれば、人事異動があれば全社へ広がるはずです。また、実際に使われたカプセルが体内で溶けないとすれば、医薬品としての艇をなさないことになります。そもそも品質試験の目的を正しく理解しない従業員や検査官がいることも、課題と思われます。
昨今は、インフルエンザと新型コロナの同時流行により、咳止め薬が市場に足りない事態が起こっているさなか、多くの人が利用する胃腸薬の品質に不正があったことは、医薬品業界としても大きな事件です。
連日にわたり、自社の常識や商慣習が、社会の非常識であることが、不祥事や信頼失墜を招くことに繋がるとご説明していますが、こうした報道を見て、一社でも多くの経営トップが、我が事と考えて、社内の常識や商慣習を見直すことに、注力して欲しいと切に思います。コンプライアンス経営における最新の課題認識と言っても過言ではないと思います。



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