38年ぶり

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プロ野球の阪神タイガースが、38年ぶりに日本シリーズに勝利して、日本一になりました。同球団の監督のマネジメントの特徴は、「選手と親しくし過ぎない、コーチを通して伝える、普通のことを普通にやる」だそうです。本日は、プロ野球の監督のマネジメントについて、考えてみます。

同球団の監督は、今年66歳ですから、50歳代から60歳代の監督が多い中では、高齢です。選手の平均年齢は25~26歳ですから、「親しくし過ぎない」のではなく、共感できないほどの年齢差があります。そこで、自分と年齢が近いコーチ達に、自分の野球観、準備の仕方、考え方などを伝えて、コーチから選手に伝える方式を採用したもの、頷けます。

「普通のことを普通にやる」と言うのが、最も伝わりにくい考え方と思われます。年齢が平均で40歳も下の選手たちが、「普通」という概念が同じとは思えません。例えば、勝つためには得点が必要で、その為には出塁が必要です。出塁の方法には、ホームラン、ヒット、四死球、振り逃げがあります。同球団は、方法を問わず、出塁して得点すれば、選手を評価する制度を持っているようです。

また、いくら得点していても、守備でエラーをしたら、相手に想定外の得点を与えて、敗戦に繋がります。ですから、エラーしない取組みに比重を高める必要があり、その為には、幾つものポジションを兼務するより、一つの守備位置で使い続けることの方が精度が高くなると考えて、レギュラー選手の守備位置を固定し、打順も固定しました。

同じように、先発投手にも申告敬遠を除き、四死球とヒットは同じ評価をしていると思われます。中継ぎや抑えの投手には、得点を取られなければ評価を与えていると思われます。ベンチで控えにいる選手には、「声出し」や「準備」を求めているはずです。ベンチにいても、普通のことを求めています。普通ができない選手には、どのような指導をしているのか、お尋ねしたいものです。

一見して理に適っていると思われることを年間を通じて貫き通した結果、勝負運にも恵まれて、日本一になったと推測できます。何しろ38年ぶりですから、同じ取組みをしても、同じ結果にはなりません。他にも現代に合ったマネジメント手法は幾つもあり、相手監督のマネジメントは、少なくとも同監督とは異なるからです。

組織の大小を問わず、マネジメントには、一定程度はトツプの考え方や普通に対する常識が影響するのも事実です。自社に置き換えた場合に、どんなマネジメントが最大限の結果を得られるかを考えながら、適宜修正していくことが大切だと思います。一つだけ申し上げるとすれば、優勝を「アレ」を置き換えたことには、違和感があります。来シーズンは、普通の言葉に修正して欲しいものです。

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