公正取引委員会が、損害保険大手4社に対し、課徴金総額20億円超の納付を求める見通しと報道がありました。企業向け保険で事前に価格調整を行う商習慣に対する判定でした。これに伴い、損保業界は、商習慣やシェアありきの営業体制の見直しを求められました。本日は、損保業界における商慣習について、コメントします。
損保業界には、特徴ある商習慣があります。まず、同業他社と一堂に会する機会が多いことです。乗合代理店の担当者会議や懇親会などが典型的です。乗合代理店が、一度に全社に伝達できるメリットがあることから、行うものです。
次に、販売協力と称する物品販売です。クルマ、スーツ、クリスマスケーキ、贈答品などに限らず、スポーツ観戦などの応援要請などもあります。代理店や大企業から要請を受けて、各社は人員提供と言う形の協力を行うものです。
最後は、本社部署にある根回し気質です。競争領域にない分野の企画業務、例えば、新商品の開発、品質向上取組み、大規模災害時の保険金支払いなどは、ニュースリリース前に、本社相対部署は、お互いの動きを察知しています。
根回し気質の最たる事例は、本日の経済新聞の記事です。損保関連の記事が、1面記事の詳細を掲載している8面に5か所あり、インパクトを薄めているように感じました。なぜなら、いずれもホームページでリリース前の記事だからです。
損保業界は、いま、大きな転換期に来ています。業界に染まっていない若い世代や中途採用者などによる気づき、ベテランリーダーが不思議に感じていることなどを洗い出し、本社と第一線の業務プロセス、開発費用などの適切性などを全般的にメスを入れて、事業活動の見直しを継続的に行うことで、社会の信頼を回復して欲しいです。



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