商習慣の変化

grayscale photography of bottles on top of table

ビジネスにおいて、取引先との関係強化や情報収集などの為に個別に会合を持つことは多く、これは商習慣の一種です。本日は、商習慣の変化について、考えてみます。

取引先との個別会合の目的は、関係強化と情報収集です。取引先の事業活動の方向性、担当役員がどんな考え方を持っているか、業務上の何に興味を示すか、どういう提案が取引先が喜ぶか等を調べる為に、会食の中で聞き出すのが商習慣となっています。

ところが、この目的を少し拡大して解釈する人がいると、商習慣は変化を遂げます。例えば、取引先の重要人物が喜ぶ会合にしたい、取引先の重要人物の家族も喜ばせたい、会食を盛り上げたいなどは、目的の拡大に繋がる考え方です。

この拡大解釈による会合が連続してしまうと、次第に接待色が強くなります。そうなってしまうと、取引先の重要人物が男性なら自社の女性社員、女性なら自社の男性社員を連れて行くことに広がります。自社の同席者の幅を広げることで、関係強化に繋がると、拡大解釈した考え方です。

これで取引先重要人物が喜ぶと誤解すると、人気のある女性社員、イケメンの男性社員を連れていくようになります。取引先重要人物が二次会に行きたいと言えば、自分を外して人気のある女性社員、イケメンの男性社員だけ同席するよう仕向けます。

この時点で、会合の目的を外していると指摘を受ければ元に戻す可能性がありますが、重要人物は、二次会こそ商習慣だと誤解するかも知れません。そうなってからでは、戻すすべがなくなります。連日報道されている、タレントによるテレビ局従業員への不適切な行為事件は、こうした商習慣の変化が、不適切な行為に至った環境要因ではないかと思われます。

企業の事業活動において、商習慣を見直すというのは、各業務プロセスの目的に添わない、逸脱、拡大解釈している活動を抽出して、ビジネスを適正適切に戻すことを経営者や部署長から説明して、趣旨目的に戻す活動を行うことだと思います。

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