適法だけでは通用しない時代

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政治家による「法的には問題ないが、社会的には不適切」とされる行為が、報道で相次いでいます。企業コンプライアンスの観点からも、非常に示唆に富む問題です。本日は、適法と適切の違いを切り口にして、コンプライアンス経営について、考えてみます。

<適法と適切の違いとは?>
企業の事業活動においては、法令遵守(リーガルコンプライアンス)は当然の前提ですが、それだけでは社会的信頼を得ることはできません。法的に問題がなくても、社会通念や倫理に反する行為は「不適切」とされ、企業の評判や信頼を損なう可能性があります。

政治の世界でも同様です。最近報道された政党代表による公金還流問題では、公設秘書が代表を務める会社に政党助成金などの公金が支出されていたことが明らかになりました。政治家は「法的には適正」と説明しましたが、「外形的公正性の欠如」が指摘されました。「違法ではないから問題ない」という姿勢は、現代社会では国民に通用しにくくなっています。

<企業コンプライアンスとの共通点>
企業においても、法令遵守だけでなく、ステークホルダー(顧客、取引先、従業員、地域社会など)からの信頼を得るためには、「適切さ」が求められます。たとえ社内規定に則った取引であっても、利益相反や不透明な意思決定があれば、社会的批判を受ける可能性があります。政治家の行動が批判される構造は、企業経営にも通じるものがあります。

<「李下に冠を正さず」の精神>
前述した政治家は、会見で「李下に冠を正さず」という言葉を引用し、今後は発注を控える方針を示しました。これは、疑念を持たれかねない状況を避けるという自制の姿勢を表すものであり、企業においても重要な考え方です。しかし、コンプライアンス経営の本質は、「疑われないこと」ではなく、「疑われても説明できること」、そして「そもそも疑われる状況を作らないこと」にあります。つまり、透明性と説明責任こそが、現代の信頼経営の要です。

<まとめ>
政治家の行動が社会的に不適切とされる事例は、企業経営者にとっても他人事ではありません。法令遵守に加え、社会的倫理や透明性を重視する姿勢が、信頼の基盤となります。弊社では、こうした視点からの経営者へのアドバイスや研修も行っております。企業経営者が「適法かつ適切」な経営を実現できるよう、今後もご支援を続けてまいります。皆様の企業でも『適法かつ適切』な経営の実現に向けて、ぜひ、今一度コンプライアンスのあり方を見直してみてはいかがでしょうか。

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