観光バス横転事故

a group of people taking notes in a conference room

県道を走行中の観光バスが横転し、乗客1名が死亡、34名がケガをしました。事故から5時間後にツアー会社とバス会社が揃って会見を開き、判明した内容を報告し、遺族に謝罪しました。ツアー会社が大手旅行会社の系列なので、マニュアル通りに対応したと思われます。潔い対応でした。

本日は、会見内での出来事から、お話いたします。ツアー会社とバス会社の謝罪会見の際、マスコミ各社の質問の時間を設けているのですが、これが実に稚拙で準備が足りない、かつ、自分が思い込んだ事実へ誘導する質問ばかりで残念でした。レベルの低さには、呆れてしまいました。

この事故において、運転手はケガをしました。代わりにツアーガイドがツアー会社へ速報し、バス会社が事故発生を知ることになったことについて、「運転手が事故発生の報告を行う仕組みはないのか?」と質問しました。バスは横転して、運転席を下にして停止したので、自ら報告ができない環境下にあったことは明らかでした。ツアー会社は適切だがバス会社に不備があったと思い込んだ質問でした。

出発の際の点検結果に、異常はなかったと説明したところ、点検を疑うような問いかけをしました。病院へ搬送しなかった乗客は、自宅まで送り届けたことを問う質問もありました。対応の失態を探す悪意のある質問でした。

大事故が発生した際は、丁寧に謝罪して詳細な説明をしても、このレベルの質問が飛び交うことは、覚悟しておきたいものです。頭にくる質問や、非常識極まる質問であっても、声を荒立てたりすることなく、冷静に謝罪し、丁寧に説明する必要があります。

それができる為には、謝罪会見前のリハーサル以外にも、アンガーマネジメントの研修などを受講しておくことは必要と思います。以前に受講したことがありますが、6秒間沈黙して、冷静になる余裕を作ることなど、幾つかのノウハウを知ることができました。

YouTubeで「謝罪会見」、Google検索で「謝罪会見 全文」と検索すると、過去の多くの事例が抽出できます。それを見ながら、対応の評価をしつつ、自社に置き換えてマニュアルの見直しや予行演習などの対策を講じることも考えられます。大切なことは、お客様に対して謝罪するとともに、誠意をもって対応していくと伝え切ることです。

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