映像の紛失事件

close up of compact discs

TV局の制作会社のスタッフが、番組関連映像を記録した外付けハードディスクを紛失しました。早朝に電車内で居眠りをしている間に、ディスクをカバンごと紛失しました。盗難の可能性が高いので警察に被害届を提出し、カバンは見つかりましたがディスクは見つかりません。ロック設定するよう指導していましたが、紛失したディスクはアンロックでした。本日は、この事件について、考えてみます。

本件と同種事件が、他のTV局においても発生しています。共通しているのは、以下の点です。
 ①番組制作会社のスタッフが、映像をハードディスクに保存して社外に持ちだすことができる。
 ②守秘性の高いハードディスクを社外に持ち出している間に、気を許している。
 ③ハードディスクにロック設定がされていない。

会社システムか共有クラウドに保管して、持ち出せないようにすれば①と②は解決します。共有クラウドにアクセスできる会社貸与パソコンは、ロック設定を解除できない仕組みにすれば、③も解決できると思われます。

下請け制作会社の社員とスタッフがTV番組の作成主体になので、TV局と同じレベルの情報セキュリティルールに合わせることが難しいようです。ただ、製作会社が担当するTV局数は限られており、セキュリティレベルは高い局に合わせすことで、概ね解決します。費用は必要ですが、複数局のシステムに入らないと仕事ができない以上、顧客のTV局や出演者の立場を守れないことは、ビジネスとして失格です。

スタッフが気を許していたことや、ロック設定を漏らしたことが、本事件の発生原因と考える企業があります。気を許さないよう指導することを再発防止策にしているのですが、人の行動や習慣は、指導したくらいで、治りますか。外部に持ち出さない、アクセス権限を持たない人が見られないなど、仕組みを見直さないと「つい、うっかり」で始まる事象は、解決できないものです。

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