店員の名札から実名を伏せて、イニシャルや名字だけに変更する企業が増えているそうです。本日は、従業員のプライベートを守る取組みについて、考えてみます。
店員の名札には、実名でフルネーム、実名で下の名前などにすることが多いです。お客様が、SNSにて「〇〇ちゃん、かわいい」と行為をほのめかすコメントをしたり、「〇〇の態度が悪い」などの悪意のある書き込みがあり、従業員が実名を明かすことを恐れるようになりました。企業側は、従業員のプライベートを守り、安心して働ける環境作りが、課題となりました。
来店型の店舗において、従業員が不特定多数の顧客に対応する事業には、共通する課題です。顧客が従業員に対して、無用なエキサイト行動を起こさないように気を付ける義務、従業員の働く環境を整える義務です。
従業員の働く環境を整える義務という考え方は、今までは重視されていませんでした。お客様は神様ではありますが、神様が暴走しないように、従業員を守る環境を整える必要があり、そういう取組みを通じて、益々コンプライアンス経営の重要性が高まってきました。
今回は、不特定多数の顧客を対象とする企業について考えましたが、名刺を渡して特定の顧客を対象に事業活動を行う企業においても、顧客からのハラスメントには注意が必要です。取引策との懇親会の場でセクハラやパワハラを受けるケース、夜間の自宅訪問を要請されるケースなどが、あります。
事業の目的は、従業員を守り、健全な事業運営を行うことですから、こういった対策を考えるのは、コンプライアンス担当部署でなく、営業を支援・サポート・企画していく部署であるべきです。コンプライアンス担当部署に丸投げしないで、営業推進部や人事部、企画部などが連携して、我が事感のある対策を全社で講じることで、従業員は安心感を得て、より良い会社になるのでは、ないでしょうか。



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