満期から一定期間が過ぎて権利が消滅した郵便貯金のうち、貯金者の請求を受けて返金を認めた割合は2割以下。承認率は17年度の6割超から大きく下がっており、失った貯金を取り戻すハードルは高くなっていると報道しています。本日は、消えた郵便貯金について、考えてみます。
民営化前の郵便貯金は、旧郵便貯金法により満期から約20年で貯金者の権利が消えます。民間銀行とは異なる特殊な制度です。民営化後の郵便貯金制度に同様の問題が発生し得なければ、この事象が起こる原因は、旧郵便貯金法の規定にあります。
旧郵政に詳しい国会議員を中心にして、旧郵便貯金法を改定し、権利消滅の規定を廃止する解決策があります。検討する為には、民営化前後で、郵便貯金の商品、対応、運用するシステムが大きく異なるなどの要素の有無について、確認する必要があります。
しかし、この問題で真に考えるべきことは、上記のようなスキルや手段では、ありません。一般社会が何を求めているか、です。「たとえ権利消滅後でも、手続きが遅れた理由を説明すれば返金すべき」であれば、返金ができる対策を講じれば、国民から納得を得やすいと思います。社会の要請に合った対応を進めることは、コンプライアンスの考え方と同じです。



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