パワハラの傾向

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パワハラ(パワーハラスメント)が起きていることに気付かない企業には、共通することがあります。それは、企業内において、絶大な発言力や強制力、権力を持った経営者がいることです。本日は、パワハラの傾向について、考えてみます。

一般的には、企業内にパワー(権力)を持つ加害者が、そのパワーを伝えたいと行動した時に、発生します。加害者自身が、パワハラの被害者になりそうな状況の際にも、パワーを使って逃れようとすることで発生することもあります。

パワハラの発生に気付かない企業には、幾つか共通する企業風土があります。一つは、役員や従業員が人の力で事業活動を行うと考えています。その結果、事業活動の成果も人に帰属すると考え、人を改めさせれば、成果も変わると言う思考を持ちます。その結果、人を追い詰める手法しか思いが至らず、指導の結果が出ないのは、その人に原因があると考えます。

二つ目は、会議や打合せ、ミーティングなどにおいて、意見交換する風土がない企業です。会議や打合せの目的が、事業活動に関する指示や連絡事項を伝えることになると、自ずと上下関係が生まれ、経営の声と現場の声を交換する場にならないからです。因みに、意見交換とは、出席者がお互いにリスペクトし、フラットに意見を述べ合うことです。

三つ目は、自分が育った環境と現在の環境は同じ、と考える経営者や管理職がいる企業です。企業は事業活動を行っていますので、絶えず外部環境の変化に応じて、活動していきます。それゆえ、昔と環境が同じという考え方は、誤った考え方と言うことになります。

「昔は、~だった」「自分が若い頃は、~だった」「若い時は、そうやって成長していくものだ」などの発言が出る企業は、要注意です。では、パワハラを起こさないようにするには、どうすれば良いでしょうか。

経営トップが、パワハラについて深く理解し、自らがパワハラを起こしにくい環境作りに励むことに尽きます。その為には、役員や上級管理職に対し、自らが理解したパワハラの知識を自分の言葉で教育することです。そのうえで、役員や上級管理職に対し、経営トップから指導を受けたパワハラの知識について、管理職や従業員へ自らの言葉で指導するように指示してください。

その結果、以降に発生した原因は、経営トップの指導が不十分であったことになります。再発防止策は、役員や上級管理職に対して、パワハラを起こす環境や発言、発生しやすい場面などを腹落ちするまで教育することです。それでも発生するならば、上記に記載したパワハラが多く発生する企業の3つの共通点を排除する取組みを行うことで、企業風土を変えることが良いと思います。ハラスメントが起きにくい企業には、フラットでリスペクトする企業風土があります。

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